19.新たな薬 | 心筋緻密化障害の兄弟の奇跡☆

心筋緻密化障害の兄弟の奇跡☆

3人の母です。

次男と三男は心筋緻密化障害(心筋症)をもって生まれてきました。

次男と三男の闘病記録と、亡くなった後の私の日々の気持ちを書いています。



2017/11/3


15:30
心拍176
血圧18/11


輸血の効果はありませんでした。





16:00~
新たな薬が開始になりました。


血管を締める作用のある『ピトレシン』という名前の薬。


後に主治医に教えてもらったのですが、この薬は幼児でさえもなかなか使わない薬と言われるほど使用が難しく、極低出生体重児に使った例は国内では聞いたことがないくらいの薬だと聞きました。


(この病院では幼児に対しての使用経験は何度もあるが、極低出生体重児に対しての使用は初めてとのこと)


ピトレシンは血管を締める薬。心臓に負荷をかけてしまう薬でもあります。


本来、心不全がある人には逆効果になるため、使わない薬です。


それでも今の三男を救うためにはこの薬しかない、と未熟児の専門医と小児循環器の専門医が話し合いを重ねた結果、使用が決定しました。


三男は血圧の割には肌の色は良く、手足も温かく、足をちょこちょこ動かしたり、口をチュパチュパしたりしていました。


見た目には特に変化はなく、小さな小さな赤ちゃんがスヤスヤ寝ているだけのよう。
もちろん人工呼吸器や管はたくさん繋がっていますが。


たぶんこの時間には旦那は病院に到着していたと思います。


当時の記憶は曖昧で、私は冷静なようで必死だったので、夫婦の会話等はよく覚えていません。





18:00
心拍165
血圧31/17


新たな薬が追加になり1時間後ぐらいから、血圧が徐々に上昇し始めました。


私は朝からずっと三男のそばにつきっきりだったため、その日の担当の看護師さんが、血圧も上がってきたし、一度休憩がてら夕食を食べに行くよう私たち夫婦に促してくださいました。


旦那と一緒に病院の近くにあるラーメン屋さんに行きましたが、味わって食べることなんて、とてもじゃないけれどできませんでした。


これからに備えて、ただただ胃に入れるだけ。


私は三男が落ち着くまでは、病院隣の宿舎に寝泊まりすることになっていたので、足りない日用品を購入して、すぐにNICUに戻りました。








たくさんの管につながれていた三男。


心臓は最重症。


1500gにも満たない小さな小さな体。


それでもたくましく生きていました。