13.悪化 | 心筋緻密化障害の兄弟の奇跡☆

心筋緻密化障害の兄弟の奇跡☆

3人の母です。

次男と三男は心筋緻密化障害(心筋症)をもって生まれてきました。

次男と三男の闘病記録と、亡くなった後の私の日々の気持ちを書いています。


2017/11/1


この日は長男の小学校が創立記念日で休みで、長男を見てもらえる人がいなかったので、旦那と私と長男の3人で病院に向かいました。


長男には「三男に会えないけどごめんね。お医者さんととても大事なお話があって、お父さんもお母さんも聞かないといけないから、少しの間だけ○○(長男)も一緒にお話を聞いてね」と伝えました。


長男も隣県の病院は4年ぶり。


当時は「あっくんのおっきい病院」と言っていましたが、4年も経つと、もう病院の記憶はないようでした。





病院に到着後、まずは私が先に一人で三男に面会しました。


三男に会いに行くと、抜管したはずの人工呼吸器が再挿管になっていました。


すると一人の医師がやってきました。


「お久しぶりです。今から○○○くんの病状説明をしますので、面談室にどうぞ」


その医師は、敦希の主治医の先生でした。


4年ぶりの、すごく、すごく、懐かしい顔でした。


懐かしさを感じながら旦那と長男を待合室に呼びに行き、面談室に向かおうとすると、また別の医師に「あっ!お母さん!お話がありますので、どうぞ!」と言われました。


誰だろう?何で私が三男の母親だと分かったんだろう?と不思議だったのですが、この先生が三男の主治医で、三男が転院する時に迎えに来ていたから、私の顔も知っているようでした。


転院時に迎えに来ていたシニアレジデントの先生が主治医、もう一人担当医、敦希の主治医だったベテランの先生が指導医で、三男の担当には小児循環器の専門医である(一人はシニアレジデント)3人の先生がついていると教えてもらいました。


面談室に入ると、その3人の男の医師がいたため、長男はすぐにただならぬ空気を察知し、「入らない!出る!」と嫌がりましたが、大事な話なのでと何とか説得し、面談室にいてもらいました。





敦希の主治医でもあった指導医の先生が話し始めました。


どのように話をしたのか、記憶が曖昧なので、箇条書きで書くと…


一度は良くなっていて、人工呼吸器も抜管でき、昇圧剤の点滴もなくなっていたが、10/31から悪化。

呼吸がしんどそうで陥没呼吸(+)、無呼吸もあったため、人工呼吸器を再挿管。

昇圧剤も再開、強心剤も使用。

10/20のBNPは43だった。
今はかなり高い数値だと思われる。

心臓のEFは転院時15%→一旦は37%になり人工呼吸器抜管→10/31で30%になり再挿管

心臓の大きさは転院時で130~150%

SPo2は88%で低い

ミルクは昨日までは1回18ccだったが、一旦ストップ

鎮静をかけ、眠ってもらう





これらを踏まえ、、、


三男の心臓の状態は最重症である。


極低出生体重児の心筋緻密化障害はあまり例がなく、最重症に限っては国内でほぼ例がない


体が小さいためにできる治療が限られ、現時点では心臓移植も補助人工心臓の装着も不可能。


最低でも体重は4~5㎏必要。
10/30で1227g。まだまだ足りない。


もう一段階悪化すると命の危険があり、現時点でも大変な状況と言える…と。






本当にショックでした。


あまりに厳しい言葉の連続で、気付けば私は涙が止まらなくなっていました。先生の話を聞いて頷きながらポロポロ泣いていました。


そんな私を見て長男は「出る!」と嫌がってしまい、旦那が長男を連れて部屋出てくれました。





その後は私一人で話を聞きました。


先生は「敦希くんは重度でしたが、三男くんはそれ以上に重度、最重症と言えます。とても難しい状況ではありますが、どうにか救ってあげたい。4年前と比べて心臓の薬も増えました。外科的治療は今はできませんが、薬を使っていきながら、少しずつ体を大きくしていきましょう。敦希くんは残念ながら亡くなってしまったけれど、三男くんは救いたいと思っています」


もっと色々な話をしてくれましたが、記憶が曖昧なので省略します。


とにかく前向きに治療に取り組むことを言って下さいました。


4年前、敦希を亡くしボロボロになった私を先生は見てきているので、先生からは「次こそは何とか…」という気持ちが伝わってきました。


他にも、、、


Bブロッカーを早めに始めたいが、未熟児だと低血糖などの副反応も怖い。心臓の状態が悪すぎる今はまだ使えない。心臓を休ませる薬なので、今使うと心臓が止まってしまう。

兄弟で発症しているので、某大学病院で遺伝子検査をすること。

考えられる遺伝子疾患のこと。
既に簡易検査にはいくつか出していること。

右室低形成は心筋緻密化障害を悪化させるものではなく、右室低形成自体の悪影響は良くなってきている


「何とか体重を増やして阪大に転院し、補助人工心臓までたどり着けるように、小児循環器の医師と未熟児専門の医師と連携を取りながら治療に取り組んで行きます」


そう話をして、その日の面談は終わりました。


最重症極低出生体重児で心筋緻密化障害の最重症は国内にはほぼ例がない補助人工心臓、心臓移植」という言葉には本当に、本当に、重みがあり、ショックを隠せませんでした。


その日は三男の写真を1枚だけ撮りました。







15:20

心拍180
血圧46/34


「頑張って生きるんやで」


お母さん、2日に1回は必ず来るからね」


本当は毎日そばにいたかった。
でも私には長男もいる。長男の生活もある。


2日に1回通うのが精一杯でした。