今日は「北方領土の日」らしいので考えてみました。 | 向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

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北方領土。
聞いたことはあるけど、あんまりよくわからん。
という方が多いと思います。

今日は北方領土の日だそうです。友人のFacebookの投稿で知りました。
それで、この稿を書いています。
いつもとは違って、ちょっとばかし政治的な話になるかもです。

私は北海道が好きで、とくに東側(道東)が大好きで、何度も何度も行ってます。
道東というと、知床や阿寒などの大観光地が有名ですが、私がとくに好きなのは、
釧路から東側、根室にかけての部分です。
「パイロットファーム」で有名な根釧台地ですね。

釧路から根室に向かう国道の名前は44号線。根釧国道なんて愛称がついてます。
東への一本道で、まさに原野を貫く道路です。
ときおり集落があって、それ以外にはなーんにもありません。
寂しい雰囲気なのですが、それが好きなんです。
こんなところを走ります。
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  国道44号線 根室 温根沼付近      納沙布岬のモニュメント(四島の架け橋)


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   どこか覚えてないけど根室市内       納沙布岬の灯台 北方領土は左方向

東に進めば進むほどどんどん寂しくなってくるのですが、釧路から100キロ近く走っ
て根室市に入ったころから、急にある看板が増えます。
「北方領土」絡みの看板です。

「北方領土を返せ」「島は奪われた」
物々しい文言が並びます。

国道44号線は根室市街地で終点になり、そこから、日本の最東端である納沙布岬
まで道道に変わります。
根室市街地から納沙布岬まで車で約30分。北方領土絡みの看板はさらに増えます。
さすが、という感じです。

納沙布に着いて車を降りると、目の前に、本当に近くに、北方領土がクッキリと見える
のです。納沙布から4キロ弱。でも、その手前には、ロシアの巡視艇がウロウロしてい
ます。衝撃的でした。

前置きが長くなりましたが、北方領土問題について、論点がハッキリしないので、自分
がわかっている範囲で論点を整理しました。

1 日ソ不可侵条約のソ連による一方的破棄→実効支配の有効性、
2 サンフランシスコ講和条約による領土放棄の範囲に北方領土が入っているか

この2つが、大きな論点でしょう。本当はもっと複雑ですが、とてもざっくりと整理させて
もらいました。

2は、講和条約の中に、確か「ポーツマス条約で得た領土の放棄」という趣旨の文言が
あって、千島列島まで放棄している(ここまでは争いがない)のですが、これに北方領土
が含まれるか、という言葉の定義の問題です。
ここではっきりとさせてればモメなかったのに、様々な思惑で文言を明記しなかったんで
しょうね。

その後、様々な理由で30年ほど協議がストップしましたが、ようやくゴルバチョフ時代の
90年代に入って北方四島交流事業が行われるようになりました。

子供のころ、よく、「北方領土は日本固有の領土です」というTVCMを見ました。
なぜか最近は見ないですね。本当にまじめに考えてるの?政府?と思いつつ、TVCMを
していたときは、俺らにいわれてもねーという思いで見ていました。

ちなみに、この問題に本気で手を突っ込んだ政治家は、あの鈴木宗男氏です。
この人が捕まえられてしまったことは、北方領土問題の解決に、取り返せない大きなマ
イナスになってしまったように思います。
裁判と服役で10年あまりをムダにしたと思います。
(確定判決なので、判決に対する評価は割愛しますが)
少なくとも北方領土問題との関係では、非常に残念です。

今も、北方領土から追い出された方がたくさんいます。
根の深い問題なのですが(ポーツマス条約まで辿らなきゃいけない)、国際司法裁判所
も事実上使えない問題ですから、まだまだ時間がかかり、その間にロシアの人が定着し
てしまうのでしょう。
そうなってから「返します」といっても、今そこで生活しているロシアの人はどうなるのか?

時間は戻ってきません。