TSUNAMI 10 アジア仕入れの旅 | 少数民族 エスニックの店 TSUNAMI日記 

TSUNAMI 10 アジア仕入れの旅

無事、パークウーの洞窟に辿り着いたはいいが、もちろん水など売ってる訳がなかった。

運転手が漁民から借りた工具でエンジンを直している間、とりあえず適当な岩影でへこたれる俺達。

とにかく暑過ぎる。もう飲みこむ唾さえもなく、とうとう頭の中の危険シグナルが点滅し始めた時だった。

ふと上を見上げると、洞窟の入り口付近にオレンジ色の袈裟を着たお坊さんの姿が見えた。

急いで階段を駆け上がって行き、その坊さんに開口一番「ナムヌンクォー」と言ってみた。

「はぁ~?」と、なってる坊さん。見た所、10代位の若い僧侶だった。

「クォ~だよ!クォ~!」(タイ語で水の事)

「コーク?」

「コーラじゃねーよ!あぁコーラでもいいけど~ある訳ないっしょ!?ウォーターだよ!ウォーター!!」

「アー!」となる若坊主。ようやく通じたのか、洞窟の中に来いと手招きしてくれた。

洞窟の中は薄暗く、数えきれない位の無数の仏像が並んでいた。

ここで待つように言われ、奥から若坊主が持って来た物はカップ一杯の水だった。

俺は礼いい、すぐさまそれを勢いよく飲みほした。

みるみる体が生き返っていくのがわかる。

「お金は?」と言うと、

首を横にふりながら、いらないと言ってくれている。さすがは仏教徒。涙が出そうになった。

本当に本当にありがたかったのだが、ただ一つ気になった事がある。

それは、カップの中に入っていた水の色が、下で流れているメコン川の水の色と一緒だった事だ。

俺はそれを自分の中でうまく処理するようにつとめた。

後から上がってきた皆もその水にありつけたが、俺は黙っている事にしといた。

神のみぞ知るである。



あぁ~桃の天然水になりたい....









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