TSUNAMI 10 アジア仕入れの旅 | 少数民族 エスニックの店 TSUNAMI日記 

TSUNAMI 10 アジア仕入れの旅

LAOSとの国境の町、ノンカーイの駅に列車がすべりこんだのは朝の8:30。


ここから、いつも通りトゥクトゥクを使って友好橋をわたりLAOSに入国しようと思ったが、ふとホームにある立て看板に、ここからインターナショナルトレインでビエンチャンまでいけますよ~的な事が書いてある。出発時刻を見ると9:30なので、今回はこれを使うことにしたが、殆どの人がこの電車を使わず、トゥクトゥクに乗って行ってしまった。

野良犬や鶏しかいない駅にポツーンと一人ぼっちになってしまい、なんだかいきなり不安になってきた。何故に誰もこれを使わないのか?ビエンチャンまでダイレクトに行けるし、料金だって絶対こっちの方が安いはずだ。何か面倒臭い事が待ち受けているのかも知れないが、たまには自分を信じてみる事にした。


インターナショナルトレインという割には、昔の日本の田舎にも走っていた、ローカル線の様な2両編成のディーゼル車が駅構内に入ってきた。なんだか懐かしい~!


正に、999のメーテルと鉄郎が座ってる様な直角の椅子。ここからビエンチャンのタナレン駅まで15分。メコン川を越え、いざLAOSへ


やって来ました、タナレン駅。この駅は最近出来たみたいで、周りにはなんの生活臭もなく、死にたくなる位殺風景だった。


この駅にラオス側のイミグレーションがあり、入国カードを記載していると、突然背後から「あの~すいません」と、日本語が聞こえてきた。

びっくりして振り返ると、色が真っ白な日本人の青年だった。「こ、ここ何て書いたらいいんですかね?」妙におどおどしながら入国カードの書き方を俺に聴いて来たのだが、同じ列車に乗っていたのにも係わらず、今の今までその気配に全く気が付かずに、ふいに背後をとられた事にむしろショックをうけた。俺がゴルゴだったら失業だな.....

話をしてみると、3日前に京都から出て来たばっかりの大学生で、ラオスはおろか海外も初めてらしく、緊張しているのだろうか、絶対に俺と目を合わせようとしない。この先、大丈夫だろうかこの子は?

とにかく、今この殺風景なタナレン駅にいるのは、幽霊の様な草食系にーちゃんと、南方からの帰還兵の様な肉食ちょんまげオヤジの日本人二人組。駅の職員とイミグレーションオフィスを掛け持ちしているラオスのおっさん3人だけだった。

そして、何故この駅を他のツーリスト達が使わないのかも、この後だんだん判って来た。

                                         つづく