リトルピョンヤン | ヨンさまブログ

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とある焼肉屋のおやじです。

今日本で1番悪名高いN大のH君が言う、

なんか、ここの空間だけリトルコリアってゆーかリトルピョンヤンですよね、

うちの店でいつも在日に囲まれているN君は日本のメディアの報道とうちの店での朝鮮半島情報とのあまりのギャップに日々動揺を隠せないでいる。

日本の報道で悪魔化されている朝鮮学校の生徒達と初めて直接接しながら冗談も言うし恋バナもするし部活もするんだなぁと今更ながら感心している、ってゆーか、当たり前の事である。

直接見る在日の著名な教授や民族雑誌の編集者、朝青や支部の集い、朝鮮学校の部活の打ち上げでの生徒や保護者達を目の当たりにしながら日本の報道とは全くちがう朝鮮半島や在日の現状に頭をクラクラさせるN君はうちの店を「社会の窓」或いは「平成の出島」と呼んでいる。

日本社会で圧倒的マジョリティであるはずの日本人のN君はうちの店では完全なマイノリティでお客さんもスタッフも全員在日で日本人はN君1人だけ、という日も珍しくない。(もちろん他の日本の大学生のアルバイトもいるよ)

在日社会のほんの一部を切り取って熱帯魚の水槽のように世田谷区の一角に置かれたうちの店でN君はまるでエンゼルフィッシュの群れに混じったグッピーみたいな存在だ。

忙しくなるとママをはじめ在日スタッフは画数が多くてめんどくさい日本語ではなく画数が少なくて書くのに楽なハングルで伝票を通す、置いてけぼりのN君は当初はイラだっていたものの「ス」が2個あれば「チヂミ(지짐)」、「ス」が2個でその上に点っぽい奴があったら「チャプチェ(잡채)」、「ㅂ」これが3つ続けばピビンパ!と「苦難の行軍」のさなかにも小枝を使って地面に字を書いて朝鮮語を習った抗日遊撃隊員のように、日々興奮しながら今では結構楽しんでいる。

「このカルビ어디?(どこ?)」
「オーボン(オーボン 5番)」

とかしてるうちにN君は
「イゴ サンボン持ってって!」
(これ3番に持ってって)
と次第に「れんが」色に染まっていく。

そんなN君がある日言うではないか、

「在日の人って焼肉食べる時に皿ごと鉄板の上に持っていって一気にシャー!ってやりますよね?
もったいなくないんですか?
コゲちゃうやん!とか思うんですけど」

ママが私には決して見せない자애로운微笑みで言う

「1枚1枚焼くのもいいけどつまらなくない?
シャー!してガー!焼いて、キャー!言いながら、あ、それ私が育ててた奴!とか、まだ火が通ってないじゃんとか、ワイワイガヤガヤしながらみんなでコンロを囲むのが楽しいやん」

私はこれを「シャーしてガーの法則」と呼んでいる。


「業務中キレても後ろからタックルしないでね」と言われ心にトラウマを抱えたN君は我々在日に囲まれてとても嬉しそうである。
最近では焼肉の焼き方で在日と日本人を見分ける事ができるようになりママから「在日検定準2級」合格認定を口頭で受け取った。

「うちの大学は正に今の日本の縮図のような大学です、だって日本大学ですから、ほんまシャレにならんです。」と鎮痛な表情で語るN君に我々在日がしてやれる事は何か?
答えはひとつ、
焼肉を食べさせる事である。

※一応本人の了解得てますから、

そんなN君に捧げます、
第3次ピョンコマ日本公演の中から
「すずらん」

30年以上前のこの時、劇的な今の朝鮮半島情勢を誰が想像したでしょうか?

いやぁ、ピョンコマって本当にいいですね、じゃあ、また!