田んぼ道の彼岸花が、今年も一斉に咲きました。

 風が少しあり、赤い花がゆらゆらと揺れ、時々太陽が顔を出しては、 柔らかな光が花びらを照らしていました。

 台風が近づいているせいか、今日がいちばんの見頃だったように思います。

 

彼岸の入りは20日ですが、台風で供えた花が散ってしまうことを考えると、 お墓参りは23日の中日あたりが良さそうです。

 そんなことを思いながら歩く田んぼ道で、 彼岸花は「今だよ」と言わんばかりに、赤い列をつくって咲き誇っていました。

 

この花を見ると、いつもお袋のことを思い出します。

 子どもの頃、実家へ向かう田んぼ道を、お袋と並んで歩いた記憶。 働きづめで、若くして散ってしまったお袋の姿が、 彼岸花の赤とともに、ひとつの写真のように脳裏によみがえります。

 

今年もまた、その記憶と向き合いながら、 咲きそろった彼岸花の道をゆっくり歩きました。

 風に揺れる赤い花は、どこか懐かしく、どこか切なく、 そして静かに心をあたためてくれる存在です。