建築の世界にはなぜ、バックマージンが存在するのでしょうか。

 

それは慣習としか言えませんが、

「お客様を連れてきた人間が大儲けできる」

という了解が業界に出来上がってしまっています。

 

ただ、本来であれば建築主の参謀となり、腹心となり、

最大の味方になるべきの「建築士」までがバックマージンを受け取るとは何事か。

 

 

この建築士のバックマージンについては、事情があります。

 

 

大手アパートデベロッパなどが建築主の方々と打ち合わせをして、
そこで決まったことに、建築士はただ言いなりになって図面を書く。

それが一般的な人が「設計作業」と思っているものです。

 

この設計作業は一般的に「工事費の3%」だと言われています。

この「3%」が一人歩きしてしまい、一般の方々はそれより高額の報酬をぼったくりだと考えてしまう。

 

 

例えば建築費が2億円のマンションを建てるとします。

一般の方は「設計費?3%でしょ?」と言います。

 

600万円で出来るでしょうか。

構造計算は外注です。150万円くらい掛かります。

設備設計も外注です。150万円〜200万円掛かります。

設計事務所の手元に残るのは半分の300万円弱。

設計打ち合わせは、本当は何ヶ月も掛けて、建築主様と10回、20回と会って進めるべきものです。(今はメールのやり取りも増えました)

プランはその度に書き直し。3度、4度と、一から書き直すこともあります。

計画が固まれば確認申請に必要な書類、図面の作成。1ヶ月以上掛かります。
確認申請を出す前には市役所への各種事前申請。近隣説明なども行います。
確認申請を出した後は、検査機関からの質疑対応、図面修正で数週間を掛けます。

工事が始まってからは2週に1度程度、現場事務所を訪問して定例会議。

計画がぶれていないことを確認し、建築主様に報告します。

 

業務が完了するのは、契約を頂いてから約2年後です。

 

これだけの作業を300万円弱で出来るでしょうか?

お給料ではありません。会社に入るお金が300万円。経費を除けば、建築士の手に入るお金は、1/3の100万円が良いところでしょう。

 


このような環境にあるからこそ、建築士もバックマージンを貰わないと生きていけないのです。しかし、これは建築主様への裏切り行為でもあります。

 

 

ですから、バックマージンは一切受け取らないという建築士もいます。

その様な建築士達は「設計費6%です」とお伝えしますので、よその2倍の報酬に見えます。しかし違うのです。やっている作業が全く違うのです。

 

(1-1)のブログの記事の説明

もし、設計費に建築費の6%を費やしたらどうなるでしょうか?


10年間で建築費の総コストの127.5〜154.5%掛かる筈だった費用は

111%に激減しています。建築費が2億だとすれば3200万円の減額です。

これが達成できるのだとしたら、なぜ、設計費を値切る必要があるでしょう?