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人に覚えられやすい顔ってあると思う。

 

 

多分私はその類の人間で

 

逆に彼はその類とは逆の

 

あまり覚えられない顔だ。

 

 

私たち夫婦は

 

決まったレストランに行くことが多く

 

一回で覚えられてしまう私は

 

月に1回のペースで通ったとしても

 

そこの店員に必ず覚えられ

 

常連のような扱いを受ける。

 

 

「いつもありがとうございます」

 

「今日は何になさりますか?」

 

「雰囲気が変わられましたね」

 

 

など、気を使われてよく話しかけられるが

 

本当に申し訳ないのだけど

 

私は常連化することが嫌で

 

できれば誰にも覚えられず

 

話しかけられることもなく

 

終始そっとしてほしいと思っている。

 

 

 

なぜなら

 

私は好きな店は毎日でも通いたいのに

 

覚えられてしまったら

 

毎日気楽に通い続けることができないからだ。

 

 

”この人毎日来てる”

 

と思われることに抵抗がある自分がいる。

 

 

 

それに対して彼は

 

あまり覚えられないので

 

連続して通っても気づかれないらしい。

 

 

夫婦でいると必ず店員は

 

彼に話しかけるので

 

「こんな常連の対応されたことは生まれて初めて!」と

 

喜んでいた。

 

 

私はこれまで常連になったことで

 

喜びを覚えたことがなく

 

むしろちょっと恥ずかしかったので

(いつもすみません・・・という気持ちで)

 

彼の喜びを聞いて

 

「なるほど!嬉しいってこともあるのか!」と思った。

 

 

自分の予想もしないところで

 

彼の喜びを得られるのは密かに嬉しい。

 

これからも自ら常連になり彼を喜ばせようと

 

私は生まれて初めて思った。

 

 

 

ちなみに彼があまり覚えられないエピソードで

 

面白いものがある。

 

 

付き合いたての頃

 

彼に地元の後輩を紹介した。

 

 

一緒にお酒を飲み夜ご飯を

 

共にして、楽しい夜だった。

 

 

その数ヶ月後

 

またその後輩と飲むことになった。

 

 

2ヶ月以上ぶりに彼と会った後輩は

 

なんと!

 

 

 

「初めまして〜」

 

と言っていたのだ!!!

 

 

 

完全に忘れとる!!!

 

 

 

一緒に飲んだのに忘れとる!!!

 

 

 

私が「会ったことあるじゃんか!」

 

と突っ込んだら

 

「わ!ごめんなさい。

 

雰囲気が変わられたので気づきませんでした!!」

 

と謝っていた。

 

”雰囲気変わっても気づくよ普通!”

 

なんて思いつつ

 

その場では

 

”彼のヒゲが伸びたから仕方ない”

 

という着地点に落ち着いた。

 

 

 

 

その後輩、私の彼が

 

別の人になったと思ったらしい。

 

 

こないだの人とはもう別れて

 

また新しい人を紹介しているノリだった、というけど

 

それもそれでどうかだよ!

 

なんて思った。

 

 

 

顔をすぐに覚えられるのも

 

面倒臭いが

 

顔を覚えられにくいのも

 

なかなか面倒だ。

 

 

 

どっちもどっちであるなら

 

自分の顔に感謝して

 

覚えられることでのメリットを

 

フル活用してやろうと今私は企んでいる・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***おしまい***