今回はまた少し、雰囲気を変えてお届けします。
とゆーか、凄いことをしてたと今頃気付いたからなんですが(笑
・トリノFCアシスタントマネージャー ミニインタビュー
5年前、トリノFCのアシスタントマネージャーに、
あの「ロベルト・ロハス」が就任すると聞いた時は驚いたものだった。
1989年のワールドカップ予選での不正事件以降、
ブラジルはサンパウロでキーパーコーチ、監督とキャリアを積み重ねていき、
その後はビッククラブとは縁がなかった彼が、ビセンテ監督に招聘されたのはなぜか?
ロハス「私にも驚きだったよ。しかもそれは二重三重の意味でね。
欧州のクラブ、それも名門からのオファー。
それに私のボスは女性になるというのだからね!」
しかし、久々のビックオファーに彼は決断を迷わなかったようだ。
ロハス「女性がフットボールに関わることに抵抗を覚えたことも確かだった。
だが、彼女の情熱は本物だったし、よく学んでいることも話しているうちに良く分かった。
決定的に足りないものは私が持っていた。『経験』だよ。
だから、このプロジェクトは成功すると思えたんだ。」
今期は契約も延長し、リーグ戦3位と好調を維持しているチームを影でしっかりと支えている。
ロハス「今は充実した日々を送っているよ。プロジェクトは順調だ。」
・ある日のトリノFC
トレーニングセンターにて
ビセンテ「ハーイ! ヴァネッサ! 元気?」
ヴァネッサ(女性フィジカルコーチ・スコットランド人)
「今日もまた、随分とご機嫌ね、ミリー。」
ビセンテ「チームが好調だからね。まあ、ここから厳しくなってくるけど。」
ヴァネッサ「まあ、中三日の試合が続いてるしね。でも昨日もよく勝てたわ。」
ビセンテ「ここ一番で、今シーズンはゴールがなかったヴァイラッティが決めてくれたからね」
ヴァネッサ「いい状態の証拠よ。怪我人が出ないことだけを祈ってるわ。」
ビセンテ「そうね、じゃね~!」
ミーティングルームにて
ロハス「わずか2勝でカップ戦は準決勝か。」
ビセンテ「ベスト4進出よ、快挙じゃない!」
ロハス「国内カップ戦は狙ってはなかっただろう?」
ビセンテ「でも、ここまで来たらチャンスよ。」
ロハス「試合日程は厳しいぞ。ユーロカップもグループリーグを突破できたからな。」
ビセンテ「いや、よくやったほうだと思うけどね。下馬評は悪かったし。」
ロハス「結果だけ見るとぶっちぎりの勝ち点だがな。」
ビセンテ「まぁ、ハーツ戦以外は全部が接戦だったけどね。」
ロハス「…おっと、イタリアカップ準決勝の相手が決まったぞ。
って、おい!」
ビセンテ「え~、インテルは準決勝は手を抜いて負けてるよ~」
ロハス「じゃなくて、おとなりさんだ。」
ビセンテ「ユベントスね! 年に4回もダービーすることになるとはね。
でも、これで負けられなくなったわね!」
ロハス「狙うか!」
ビセンテ「そうね。それに…。」
ロハス「なんだ?」
ビセンテ「ビアンキにタイトルを取らせてあげたい。」
ロハス「ん?」
ビセンテ「彼、もはやチームの象徴どころか偉人扱いなのよ。
でもタイトルとは無縁。なんとか一つでも勲章をあげたいの。」
ロハス「ヤツも31歳だからな。ピークはあと2年あればってところか」
ビセンテ「時間がないわ。取れるタイトルは取らないとね!」