視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を総称して五感といいますね。その中で触覚以外はわりとそのまま、見るー視覚、聞くー聴覚、嗅ぐー嗅覚、味わうー味覚で問題はないように思いますが、触覚だけは少し複雑に思います。

 

 

触覚すなわち皮膚覚は、実は感覚の原点に位置するものです。

お母さんのお腹の中でまだ卵だった頃、細胞分裂の最中それぞれの部分から、臓器や神経や筋肉やらが出来上がるのですが、卵の一番外側の層から神経と感覚器が生まれます。神経はやがて集まりその集合体が脳になります。感覚器はそれぞれ分離して、眼や、鼻や耳となります。外側を包むぜんぶは皮膚となります。

            脊椎動物の細胞の一過程

 

皮膚は体全体を包んで、外の世界と直接接しているわけですから、外の情報は一番入りやすい。そしてなにより面積が広い。

皮膚の感覚には熱い、寒い、冷たい、痛い、痒い等の感覚と、押された、触れた、のようないわゆる触覚系の感覚がありますが、これらはみな意識に直結した感覚です。

 

 

皮膚感覚が他の感覚器と少し違うのは、意識ではなく無意識と直結した部分が非常に多いことです。そしてそれは、生きて行くのに絶対に不可欠な感覚であるということです。

無意識感覚ですから普段意識する事はありません。

 

 

では皮膚感覚はなにを感じ取っているのでしょう。

2本の足で立つ人類の足裏皮膚感覚は地面の情報を受け取ります。地面の傾き・でこぼこだけではありません。地球の引力や回転も直接受け取るのは足の裏です。全身の皮膚は風のそよぎを受け取るずっと以前に、気圧の強さや地球の回転で起こる遠心力の強さを受け取っています。

 

 

 

 

 脳はこれらの皮膚情報をもとに、体をコントロールして「地球に生きる」を可能にしているのです。

 

 

「なぜ今、皮膚感覚?」と思われるでしょう。

皮膚感覚の鈍りによる問題を抱えている人が、とても多いからです。

皮膚の感覚、皮膚の伸び縮み、皮膚呼吸、こうした皮膚機能の鈍りから全身の問題に発展して行きます。

鈍りの原因はさまざまです。子供のころからの生活環境(赤ちゃんの頃からの夜更かし、おしめ、外遊びの減少等々)から、電磁波の問題に至るまで多くの原因が考えられます。

 

 

皮膚感覚の鈍りへの対処

皮膚の機能を回復させるためには、まず皮膚の鈍りを取って伸び縮み運動を回復させなければなりません。

とても原始的な方法ですが、皮膚を手でやさしくさする「軽擦法」をお勧めしています。

 

全身の皮膚の手の届く限りの場所を、触れるか触れない位のやさしさで「さすって」ください。「軽擦」した部分としていない部分の感触がまったく違うことに気づかれると思います。ことに眼を酷使するお仕事の方にはお勧めです。

 

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