かつてテレビは三種の神器の一つを担い、庶民の憧れ、高級品であった。

 

時代が進みテレビが一般家庭に普及しても、まだまだ高級品。一家に1台。

 

そういう代物だったのだが、ある時期から突如、庶民どころか子供のお年玉で買えるテレビが登場した。

 

14型ブラウン管テレビデオである。

テレビとVHSビデオ機能が一体化した、合理的なテレビである。まさに日本の技術の結晶。

 

多分、発売当時はうんと高かったと思うのだが、私が中学の頃1万円しないで買えた記憶がある。

 

私は手に入れたテレビで色々録画しまくった。映画に、アニメ、ドラマ。

深夜にやっていた刑事コロンボとかほぼ全てコンプリートした気がする。

 

最早、観たくて録るというより、録ることが目的で、録ったから仕方なく観るみたいな。中には録画したものの観てない映画とか結構ある。

 

超便利なテレビデオだったが、弊害もある。

 

時代はVHS。テープが噛んでビデオが壊れると、テレビは映るのにビデオが録れないのでテレビごと買い替えないといけない。

あれ?これメーカーの策略?

 

このテレビデオは地上デジタル放送が始まる頃まで活躍した。

 

が、もう一つの弊害が今ここで起きている。

 

昔一杯録ったVHSの処分。

 

目的も無く録ったものばかりだからDVDに焼く機械を買うのも業者に頼むのもあれだし。残したいのはコロンボとバレエとか演劇とかその辺の舞台ものくらいだし……。

 

折を見て捨てつつあるが、捨てても捨ててもいっぱいあるのだ。

 

何だ「名探偵保健室のおばさん」て。松雪泰子と京野ことみが出てたくらいしか覚えてないんだけど。絶対リアルタイムで一回見てビデオで見返してないやつだよね?←みたいのが一杯出てくる。

 

さて、困った。

こちとら人生は折り返し地点なのだ。晩年謎ビデオの処分で終わるとか勘弁なんだけど。

この悩みを抱えているのは私だけじゃないはずだ昇天