あれから1年がたちました。
休日だったため、世間では慰霊、被災地応援など、さまざまな催しがあったことと思います。
わたしもなにか書こうとして……結局、翌日になっても手が動きませんでした――。


「死は突然やって来る。テロリストのように」
昔読んだ言葉です。

さっきまで普通に笑い、歩き、生活していた人々が、次の瞬間、いっせいに冷たい骸(むくろ)になってしまう。
日常とは、なんともろいものでしょうか。平和とは、なんと危ういものであるか。
祖母も、ある日倒れたきり、10年間意識が戻ることなく、亡くなりました。

「さよならを言いたかった」
そう思います。
亡くなった方々も、わたし達も。お互い。
せめて一言、さよならだけでいいから、と。

いえ……
「ありがとう」のほうが、いいかもしれません。
生きていてくれて、ありがとう。同じ日本に生まれ、いっしょの時を刻んでくれて、ありがとう。
ありがとう……。


この不条理な世界で、空だけは青く澄み。
たむけられた香の煙がはかなげにゆれ、風となって還っていきます。

伝えられなかった、言葉とともに。