たあいもない話。村の女の子が、小学校に赴任してきた青年教師に恋をする、ただそれだけのこと。なのに、なぜ涙が出るのでしょう?
それはたぶん、彼女が恋する姿がとてもいとおしいから。純朴で、ひたむきで。私たちが大人になっていく途中でどこかに忘れていったピュアな気持ちを、彼女はここに持っています。あふれるほどに。
教えている彼の声を聞こうと、学校のまわりを歩く彼女。恥じらって背をむけると、三つ編みにしたお下げがピョコンと揺れて。にぎりこぶしすらかわいらしい。金色に色づいた木々の間から見え隠れする彼女と……彼。
やさしい、やさしい恋物語。映画は現在の彼女も映しながら、なつかしい過去を色彩豊かに描きだします。
チャン・イーモウ監督の最新作。2000年ベルリン国際映画祭 銀熊賞受賞