今年読んだ本(の一部)メモです。
おすすめしているわけではありません。
自分なりの理解で書いているので、多少違っているところもあるかも。
深いネタバレはしていないつもりですが、こういうの苦手な方はスルーしてくださいね。
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『文学は何の役に立つのか?』平野啓一郎
「主人公があくまで個人である」ということを挙げています。
例えば社会的な問題について、論文で書こうとすると、世の中全般、つまりマス(Mass)のカテゴリーを念頭に置く必要があります![]()
一方、文学の場合は、固有名詞を持った一人の人間から話が始まり展開してゆく![]()
その個人を通して「普遍性」や「一般性」に触れたときにこそ、読み手にとっては強い共感を生み、悩みなどの再認識に繋がる。
その感情を動かされる体験は小説にとって成功である、と。
つまり
ある社会共通の課題について考えるとき、主語をマスから個人にすることで、より読み手にとってリアルで認識しやすいものとして思考可能になる……というのも文学の効用なのかな。
言われてみれば、と首肯。
またこの、文学で「個人を経由して考える」ことは特に、現実的に政治的な問題について考えるときにも有効と書かれていました
(以下の青字は引用)
僕たちが周りの国の人たちと付き合う時に、政治的な課題はカテゴリーに基づいた議論がされてゆくけれども、
その枠組みを解きほぐして、なかで生きている人間はどうだったのかということを考えてゆく上で、非常に大きなヒントを与えてくれるのが、文学体験でした。
◆
この本のタイトルを見た息子
「で、文学は何の役に立つの?」
私
「例えば、説明文で『これこれこうだから、戦争はいけない』と書かれていたとする。説明文だとどうしても世の中全体の話になっちゃう」
「それを読んで、ああそうだなあと頭で理解はしても、それだけで心に響くほどではないでしょう」
「でもさ、物語で『ちいちゃんのかげおくり』を読んだら、我々読み手は小さな子ども目線で戦争を体験することになるじゃん?」
「そうしたら我々は心から『こんな小さな子まで犠牲になるなんて
あんなに仲良かった家族がどうしてこんな目に
辛い
悲しい
戦争![]()
ダメ、絶対![]()
![]()
』って思うじゃん??」
「おかあさんは前ぼくの『ちいちゃんのかげおくり』の音読聞いて泣いてたもんね」
言いたいことそこじゃなーい
でも伝わったかな?(もう忘れてそうだけど)
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という感じで、子どもには『ちいちゃんのかげおくり』で例えましたが笑
政治的な問題を個人の主語に落とし込む……で
思い出したのは、これまた今年読んだこちら。
『大地の子』山崎豊子
中国残留孤児問題はもちろん知識としては知っていましたが、ひとりの人生にスポットを当てて描いたこちらの作品からは、痛いほどのその理不尽さが伝わってきました。
作者の戦争への怒りも文の端々に表れている。
こちらは小説なので、主人公はなんだかんだありつつ諸々うまくいきますが、実際にはどうしようもない苦しみの中で生きた人たちがいたと思うと。。
(この作品で言うと主人公の妹の人生はリアルなのでしょうね。寒村の嫁となり寄り添ってくれる人もおらず、虐待のような扱いを受け続けて亡くなってしまう)
まさに、陸一心という個人を通じて戦後の問題を見ることができ、その後考え込んでしまうほどの強い感銘を受けました。
これが文学の力でなくて何でしょうか。
ドラマも観ました!
このためにNHKオンデマンド入った。
1995年のこちらのドラマ、20代のときに再放送を履修済でしたが今回またまた再視聴。
原作よりはマイルドにはしていますが、やはり泣いてしまいます。。
特に義父役の役者さんの滲み出る温かさが素晴らしいです!
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ここからは駆け足でいきます。
同じ作者繋がり。
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『夜と霧』ヴィクトール・フランクル
今更ながら読了。
強制収容所における死と隣り合わせの生活が、客観的しかし切々と描かれ、だからこそ後半述べる人間の強さが際立ちます。
苦しさの合間に自然美に心打たれたこと、解放後思い描いたのと異なる現実に打ちのめされたこと。などの描写がリアルで印象的。














































