南方熊楠が福来友吉と組んで粘菌コンピューターを使った自律思考する自動人形「天皇機関」を作り出す
さらには宮沢賢治が重要な役どころだったり、江戸川乱歩が参戦して2.26事件にも関わった上に(明言されてないけどどう見ても)ゴジラが出てきたり…
と、頭が頭痛で痛くなるような闇鍋昭和初期空想科学物語
そこそこの厚みはあるが読みやすく、娯楽小説として存分に楽しめた
人物や論理の描写説明も過不足なく、読んで理解しきれないことは理解しなくても問題ない事柄と言い切れる
もちろんある程度の人物像を知っていればなお楽しめるし、仏教用語なんかも理解が及べばより深く作者の意図を読み取れるだろう
ただ、本当に最低限「胡蝶の夢」の故事さえ知っていれば十分楽しめると思う
娯楽小説としては一級だが、一方で全体としては「だからどうした」という感想もある
結局夢物語は夢であるので、この物語がもたらしたことはすべて泡沫の夢の如しでしかない
物語に意味や学び、気づきを求めるのならおすすめはできない
これはあくまで娯楽小説、上質のB級映画と言える
