1人で自室にいるときは、四つん這いで動いていても平気なんです。
ラヴちゃんがジーと見ていて、それが気恥ずかしいときもあるんですが、まぁ、それは何とかクリアーしています。
問題は良子お姉ちゃんが私の部屋で何か作業をしているときに、たまたまトイレに行きたくなって、そうなると立ち上がれる手摺り代わりの整理ダンスや小型冷蔵庫が置いてある場所まで四つ這いで這って行き、身体をブルブルさせながら、ものすごく時間をかけて、そこで一旦立たなくてはいけないんですね。
手摺りとして使える物のない場所では、要するに例えゆっくりでも自力では立ち上がれないのです。
だから、何か掴らなければならないのですが、それが自室の場合ですと、整理ダンスと小型冷蔵庫の置いてある場所しかないんです。
そこまで、何とか四つ這いで移動しなくてはなりません。
 
四つ這いになって動いているとき、以前美容師の鈴木さんがボロッと言ったひと言、
「這いずり回っていた」
という表現が蘇ってくるのです。
鈴木さんはとてもいい人で、天候が悪いとわざわざ車で私のことを迎えに来るような心の温かい人です。
それは判っているのですが、「這いずり回っていた」という、何の気なしで言ったであろう彼の言葉が私に与えた衝撃は今も残っています。
 
初めて姉の傍で四つ這いで動作したとき、私は姉の顔を見ることが出来ませんでした。
物理的にも、四つ這いになりながら見上げるなんていうことは難しすぎてしないようにしてるというのもありますが・・・。
 
四つ這いで移動しているとき私の心も、正直、痛かったです。
でも、その光景を見たときの姉の心中も想像に難くないのです。
 
友人や知人がもし四つ這いで移動していたら・・・、ましてや身内がそんな風に四つ這いになって動いていたら・・・きっと私はその光景を目にして声をつまらせてしまうでしょう。
 
それが容易に想像できるのです。
 
見てはいないけれど、姉の小さく「あっ・・・」と呟いた声は私の耳に聞こえました。
私はことさら明るく言いました。
「整理ダンスのところまで来ないと立ち上がれなくなっちゃったよー。整理ダンスの取っ手を掴みながら、ロッククライミングだよ~」
 
姉はいつもの明るさで私のギャグに対応してくれました。
 
これが姉の前で初めて四つ這いを見せたときの場面です。
 
今では姉の前でも必要とあらばいつでも何回でも四つ這いになれます。
が、心の痛みは小さくなったとは言え、チクリとしたかすかさは少し残っているのです。
 
姉は四つ這いになってる私と普通に会話をしてくれます。
目線は、二人決して合いませんが、姉は私に向かって会話してくれています。
姉の心も完全には痛みが消えてはいないでしょう。
だけど、痛みは少し残っていても、それは鋼のように強くなっているのです。
そうしなくてはやっていけないのです。
 
肉体を強くするためにリハビリを受けています。
ですが、病気は精神の強さも求めてきます。
病気に罹患している患者本人には当然ですが、周りの人間、特に介護をしている人にも精神的強さを求めてきます。
 
強くなることって、疲れるなぁー、しんどいなぁーと思いながら、でも、そうするしかないのです。
 
いつも自室にいますから、義兄は私の四つ這い姿をまだ見たことがありません。
私のその姿を見たときの義兄のショックは推して知るべしです。
 
義兄対策・・・私は知恵を絞ります。
 
 
 
難病は早く見つけて!の気持ちです
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