前回の続きです。


「恩義」という名の心理的拘束


保険営業において、知名度が低く、知り合いや親族からの契約は多い保険会社においては、

先輩が

「自分に成績をつけてくれた」

「自分のために契約をまとめてくれた」という感情が強く残るため、

営業成績が振るわなかったり、仕事が続けられるか分からなくても、

「今辞めたら先輩に申し訳ない」と辞職を言い出しにくくなります。



​結果として、自分のキャリアや適性に悩みながらも、先輩への配慮や後ろめたさから辞められない状態に陥ってしまいます。


​先輩側に蓄積する「割に合わない」という不満











​一方で、教える側である先輩社員にも大きな負担と不満がのしかかります。

​生命保険営業の多くは歩合制や成果主義です。コンビで営業に同行し、案件を成立させた場合、成績やインセンティブは分割(折半など)されることが一般的です。

​手間と報酬が見合わない

実質的には先輩が商談の大部分を進め、契約を取りつけたにもかかわらず、手に入る給与や評価は半分になります。

育成手当などは付くでしょうが、自分の顧客を分けてあげたという気持ちが大きいのです。

​感情的な溝の発生

先輩側からすれば、
「自分が実務をほぼ全てこなして給料の半分を譲ってあげた」
「成績をつけてあげた」
という感覚がどうしても生まれます。

その結果、後輩の成長が遅かったり、途中で辞めそうになったりした際に、強い不満や不信感へとつながってしまいます。

​なぜこの問題が起きるのか?

制度の限界

​この摩擦は、個人の性格や人間関係だけで起きているわけではありません。
根本的な原因は「評価・報酬制度設計の歪み」にあります。
​育成に対する正当な評価がない
先輩社員が新人を育てること自体に対する固定手当や評価が十分でないため、営業数字(歩合)を分け合うことでしか対価を得られない仕組みになっている。

​コンビ解消の出口戦略がない
「いつまでに独り立ちさせるか」という明確な基準やフェーズ分けがあいまいなため、ダラダラとコンビ営業が続き、互いに不満が溜まる。

まとめ:仕組みを見直さない限り双方が不幸になる。


​「2人コンビで安心」というアピールは、採用面では強力なフックになります。

しかし、育成体制や報酬還元システムが整っていないまま運用すると、
「新人は申し訳なさで辞められず、先輩は報われないと感じてイライラする」
という双方にとって不幸な環境を作り出してしまいます。

​コンビ営業を真の強みにするためには、現場の善意や恩義に頼るのではなく、育成期間の明確化や、教える側・教えられる側の双方が納得できる評価制度の構築が不可欠と言えます。

新人が辞めれないと言う所が、生命保険会社の狙いでもあります。


また、詳しくは後日お伝えします。


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