村上春樹「約束された場所で―underground2―」(文藝春秋、2001)

 

この本は是非読んでもらいたいです。

 

古本屋にあった村上春樹の著作の中で、見たことのないタイトルであったため、手に取り裏表紙の内容紹介を見て驚きました。

 

本書は、村上春樹がオウム真理教の元信者たちへ行ったインタビューを文章化したもので、雑誌「文藝春秋」の98年4月号から同年10月号に渡って掲載されました。

 

本書は1997年の3月(事件が起こったちょうど2年後)に村上春樹が発表した、地下鉄サリン事件の被害者と遺族の証言を集めた「アンダーグラウンド」という本の続編です(「アンダーグラウンド」の存在は、本書を購入してから知ったため、まだ読んでいません)。

 

あとがきの中で印象に残った言葉があります。

 

「現実というのは、もともとが混乱や矛盾を含んで成立しているものであるのだし、混乱や矛盾を排除してしまえば、それはもはや現実ではないのです」

 

1つだけ確かだと思うのは、この世に絶対的な物事なんて存在しないということ。