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私の振り袖(この歳で振袖も悩んだが、せっかく母が生活が苦しい中、成人式に作ってくれたものなので、もう一度着てあげたくて)とホップの貸衣装の着物は、すでに美容室に届けてあるのでタクシーで体だけで行く。
その美容室はご自宅なんで
美容師さんのお子さんも「わ~!デカイ外国人~!」
って支度部屋を見に来る(笑)。
思ったより、時間がかかったが
支度を終えてタクシーに乗り、ホテルへ戻ったら
親戚のおじさんが玄関でタバコ吸ってて
降り立った私たちを見て飛び上がってた(笑)。
「ムギか!誰かと思った!!!」
ホテルのロビーには
私の母方の親戚が日本各地から大集合。
近くにもホップの家族が正装して座ってる。
「本日はおめでとうございます。」が飛び交う。
今日、担当してくれる介添え人の人とか
集まってくれてる親戚とか、ブライダル担当の人とか。
私たちの周りにどんどん集まってきて話しかけられて
いったいどこへ最初に行けばよいのか分からず
ただただオロオロして挨拶してる様子を
弟や親戚がビデオや写真に取りまくる(笑)。
ロビーの他のお客さんも、2メートルの外国人の和装の花婿に、どよめき沸きあがる。
混沌(笑)。
そこへ弟が母の車椅子を押してやってきた。
母は満面の笑みで
「ほ、ほんとにムギ??」って目を見開いて驚いている。
ホップのお母さんも「ゼーア・ショーン(美しい)!ムギー!」ってビデオを回す。
親戚のおばちゃんは「黙っとったら絶対に13も下って分からんけん
人に言うたらいかんよ!」と耳うち(笑)。
「さあ!時間がありません!神社へ行きましょう!」
って介添え人さん。
神社では、挙式だけ参加してくれる親友二人の姿が。
寒いのにごめんよう~!
私なんて彼女の結婚式には
スピーチ担当であるにもかかわらず、二日酔いで遅刻したというのに。
二人ともホップには面識があるので「よかったね~!」と駆け寄ってきてくれる。
なんかこの二人の顔を見るとホッとして挙式前の緊張もほぐれる。
ほんとにありがとうね。
大事な人たちだけに囲まれて式を挙げる、、、(涙)。
ほんとに幸せ。
やっぱりやってよかった。
さて、開始15分前に私たちだけでリハーサルに入る。
リハーサルの間はカメラマンは撮影自由なんで
友人のフォトグラファーGさんが私たちを撮りまくる。
その姿がカッコイイ。
神主さんが式の流れを説明してくれるのだが、不安。
こんな複雑な手順、覚えられないよ~と思っていたら、
介添え人さんが
「本番も同じように指示してくれるから大丈夫ですよ♪」
って耳打ちしてくれた。ほ~。そりゃそうだよね。
さあ、いよいよ本番。
おごそかな雅楽が流れる中
私たちは入り口に立って客をお迎え。
みなさんが立ち止まってすばやく写真を撮っていく(笑)。
その後は、神棚の前まで二人で赤いじゅうたんをゆっくりと歩いていく。
みなさんが両サイドで写真を撮っている(笑)。
笑っていいのかどうか、どんな顔をしていいか分からない。
二重あごになってませんように。
チラッとホップを見たら、緊張のせいか、怖い顔になっていた(笑)。
神前式では二人で誓いを述べるのだが
文章は事前にもらっているので、
ホップは着付けの間、一生懸命練習していた。
別に覚える必要はないのだが、トチらないようにって。
ほんと可愛い…。
↑
こんなの
指輪交換なんかもちゃんとある。
ホップにはめてもらう間、その真摯な表情を見て
ほんとに胸がツーンとしたものでいっぱいになった。
私なんかと一緒に生きていこうとしてくれているのだ、この人は。
若くてドイツ語が話せてもっと素直で
可愛い子はいっぱいいるのに、
こんな私に決めてくれたのだ。
ほんとに大事にしてあげようと、神様に誓いました。
式が終わって、ホテルの日本庭園へ移動。
ここで親戚との集合写真や、みんなとの写真を撮る。
Gさんからのリクエストにも答えてポーズをとっている最中。
「ちょっと手を取り合ってみて!」
って言われたので、やってみたら、Gさんが「違う、違う!(笑)」。
よく見たら、私たちがしていたのは
「握手」
国際交流か!
「シェイクハンド!(笑)」と弟にもツッコまれる。
さて、次は食事会の会場へ。
テーブルにはリクエストの淡いピンクのクロスが掛けられ、花が飾られている。
席順はどうせ酔っ払ってみんな移動するだろうから、あまりこだわらず。
食事会だけではあるが、ちゃんとスピーチをしたほうが良いと
ネットには書いてあったので挨拶をすることに。
挨拶をしながら、会場を見渡す。
全員が私たちを笑いながら温かい目で見てくれている。
自分が参加するときには何も思わないけど、
みんなが時間を割いてくれて
私たちのためだけに集まってくれる幸せって、
当事者になって味わってみないと分からないもんだなあ。
ほんとにほんとにほんとに×100・・・・・・嬉しい。
と、ふと、Gさんを見たら頬に涙がキラリ。
ファインダーをのぞきながら、私たちのスピーチにもらい泣きのGさん。
ジーンとしちゃった。ほんとに心が優しい人だ。
母を見ると、ほんとうに嬉しそうでほんとに良かった。
大変だったろうに、連れてきてくれてありがとうね、弟。
やっと(×1000)花嫁姿を見せてあげることができた。
旅先でよく見る、わいわい楽しそうなバスツアーのおばさんたちを見るたびに、いつも思っていた。
母も元気だったらほんとだったら、こんな風に子育て終えて、
姉妹でヨン様ツアーとかできてたはずなのに。
ホップのご両親と京都奈良から広島観光なんて、どちらかというと、お母さんが元気だったらぜひ一緒に連れて行きたかった。
ドイツだって連れて行きたかった。
外国を見せてあげたかった。
故郷で式を行うことになったのも、結婚することになった時、ホップが決めてくれた。
「こっちの親はまだ元気だから、ムギのお母さんに見せてあげよう」って。
私たちは決して良い親子関係ではなかった。
そのせいで私は子供を持つことはないだろうけど、娘として親孝行出来て良かった。
若い頃では、こんなふうに思えなかっただろう。
この年で結婚して逆によかったのかもしれない。
様々なこと、ていうか全てに感謝する日。
昔、やさぐれてた頃、「こうなったらいいなあ」「ああだったらいいのになあ」と泥酔しながら、妄想(笑)してたことが次々と現実になっていく。
「銭ゲバ」の最終回みたいだ。
「こういう風に愛されたい」と心でつぶやいていたことを
神様がちゃんと聞いていて、すべて叶えてくれている。
夜が暗ければ暗いほど
長ければ長いほど
夜明けはきれいで明るい。
そんな気持ちにさせてくれる日だった。
迷ったけど、楽しそうに酔ってるみんなを見てると、
ほんとにやって良かったと心から思う。
そうそう。食事はホップとご両親だけフレンチコースにしました。
あとでホップのお母さんが撮った動画では、
途中で私の料理のサザエのつぼ焼きがズームになって
アップされてて爆笑。珍しかったんだね。
今、私の指には結婚指輪と
ホップのご両親からもらったピンキーリングがはめられている。
太陽に掲げて眺めながらほんとにつくづく思う。
投げ出さずに生きててよかった~!