「ど、どういう意味…?」
「え? 先生、見てて分からないの?」
くすっと笑う裕美ちゃん。な、なんですか、その笑みは。
俺が鈍チンだって馬鹿にしてるんですか?(汗)
お、俺だってね、分かってますよーーーーーーだ。
(;゚皿゚)
タカシの話に、明らかに優香が動揺していることぐらい、俺だって分かってんだよーーーっだっ!!
智恵と静香が意味ありげな態度をとったときに、すでにアレって思ったんだからね。もしかしたら、って俺だって思ったさ。
でもね、それでも「まさか…な…」って確信しきれなかったのは、タカシから恋愛相談を受けてたからだっつうの。俺が鈍すぎるからじゃなくて、状況的にしょうがなかったの。優香のことが好きだって聞いてたもんだから、それがなんと優香までタカシのことを好きだなんて…
そんな漫画みたいなうんまい話があっていいのだろうかって疑いたくもなるっつうねん。
とまぁ、俺の言い訳はこの辺にしておくとして…(汗)
ご、ごほん…
「裕美は、優香から直接聞いたの?」
と聞いたのは、あのプライドの高い優香が、静香や智恵以外の人間にそんなこと漏らすだろうかって疑問からでした。裕美とは以前は仲が良かったかもしれないけど、でも、元々学校も違って、塾でもクラスが違って最近あんまり接点がないとなれば、そんな大事なことをペラペラ話したりはしないだろうって思うわけですよ。
もしもだよ、タカシに対する優香の気持ちが周りの連中にまで広がったりしてさ、それに加えて万が一にもタカシに振られたら、優香のあの性格じゃ耐えられるわけないっつうか…。
そんなわけで、余計なことを言うはずないんだけどなーっと思ったわけなんですが…
裕美ちゃんは、軽く肩をすくめて、
「聞いてないよ。聞いてないけど、でもたま~に塾ですれ違うことあるんだけど、そのたびに必ずと言っていいほど三瀬君のこと聞いてくるんだもん。言うまでもなく明らかでしょ?(笑)」
優香さん…(汗)
ヽ(;´Д`)ノ
き、君ってホントおマヌケなんですね…。嗚呼、頭隠して尻隠さず?(違)
「あいつ、自分から告白する気は…」
ないのかな…?って言おうとして、それはあまりにも愚問だよなって頭を過ぎり、途中でやめた俺に対し、
「あるわけないですね~」
と気を利かせて言葉を続けてくれる裕美さん。
「あの子、自分から告白ってタイプじゃないと思いますよ。三瀬君のことを気に入ってるのは間違いないと思いますけど、でも自分からリスクを犯すようなことは絶対しないと思います」
おいおい、そこまで断言しちゃいますか?(笑)
さっすがエリートだなぁ。物事に迷いがないんだよなー。こういうやつが日本を背負っていくんだろうなーと、全然関係ないところで感心です(笑)
まぁ、言われるまでもなく、優香みたいなタカビーの女は絶対自分から告白なんてするわけないよなーって妙に納得しながら、こういうタイプの方々にはあんまり近寄りたくないもんだよ、とため息をつくオッサンでありました。
裕美ちゃんは、軽く背伸びしたあと、
「じゃあ、私もそろそろ戻って勉強しま~す♪」
と、会釈して立ち去っていったわけなんですが…
彼女が職員室からいなくなったあと、俺はブルブル震えておりました。
ええ…
この面白すぎる展開をどう利用してやろうかっていう大いなる野望に(爆)
ヾ(´▽`)
ぬふふ。こんなオモロイネタをゲットしておいて、使わない手はないっすよね~。あのクソ生意気な優香をちょっとばかしからかって遊んでやるには、まさにもってこいじゃないすか。
げへへ。復讐じゃ、復讐~。いつも人を小馬鹿にしてくれたあのガキに復讐してやんぜ~。
と、塾講師らしからぬというか、それ以前に人間として器の小ささ丸出しで、どうやったらあの小娘をギャフン(死語)っていわせられるだろうかって考えてるだけで楽しくて仕方なくって、全然仕事になりませんでした(おいっ)
その後、全然仕事する気のないオッサンは、パソコンの中に入ってるフリーセルで時間を潰していたところ、再びドアが開いて入ってきたのは…
愛しの静香ちゃん♪ じゃなくて…タカシ君でした。
「先生~」
と俺を呼ぶ声にも、
「ん~、なんだ~?」
と彼を見ることなく、PC画面を凝視したまま、カチカチ、カードをめくり続ける俺。ってどんだけやる気ないねん(大汗)
「質問したいんだけど今いい? もし仕事で忙しいんなら、また後で来ますけど」
生徒のくせに俺を気遣うタカシ君。
「おお、今、忙しいからそうしてくれるか?」
とはさすがに言えませんがな(汗)
フリーセルを優先して生徒の相手をしないなんて、さすがに良心が痛みマス…
渋々「閉じる」ボタンをクリックして、パタンとパソコンを閉じて、
「どれどれ、なんの質問だよ?」
と、タカシの持ってきた問題集を見ると…
「お前、これ英語じゃねぇか…」
「だって数学ワーク忘れちゃったんだも~ん」
忘れちゃったんだも~ん、じゃねーつうのっ!!!
俺は英語講師じゃなくて、数学講師なの。いくら馬鹿だからって、俺の担当教科ぐらい忘れるんじゃねーっ!!!(怒)
と思いながらも、優しいヒカル先生はお馬鹿生徒のために英語を教えてあげるのでした…
教えながら思ったこと。
やっぱり賢い子より馬鹿な子のほうがいいっ♪
だって、教えるたびに、
「先生って、英語も出来ちゃうんだね~。すごいな~」
ってタカシ君が褒める褒める(爆)
そりゃ当たり前だっつうの。中3の文法ぐらい分からいでかっ。ってか、なんせタカシの英語レベルですからね~。中1や中2で覚えとかないといけないような内容ばっかですからね~いやー、楽チン楽チン。裕美に数学の質問を受けるより100倍楽チンでした。
そんな感じで質疑応答をしているとき、ふと、
「今日、前田さん、来てたね~」
呟くタカシ君。
「ああ、来てたな。ってか、お前、裕美にばっか話しかけてないで優香と話せば良かったのに」
と言うと、真っ赤になるタカシ。
「そ、そんなこと出来るわけないじゃないすか。藤川は同じ学校だからよく知ってるけど、前田さんとはほとんど喋ったことないし。話しかけられるわけないじゃないですか」
うおおおおおおおお、な、な、な…
なんて純情なんだーーーーーー(爆)
ヾ(´▽`)
男子生徒相手に、「こいつ、可愛いな…」って思っちゃったじゃねぇか(アホ)
こんな純粋なやつを見て、反省しましたよ。せっかく手に入れたネタだったから、優香をからかうために使ってやろうって思ってた俺ってどんだけ心が汚されてたんだろうって…(な~んちゃって)
って冗談はともかく、あまりにも純粋なタカシに、
あのネタを教えないわけにもいかないなと思ったわけでして…
「なぁ、いいこと教えてやるよ…」
と、切り出したのでありました。
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【問題】
「あのさ、優香の好きな人が分かったんだけど…」
と口を開いた瞬間っ!!!