昔の雅楽はキャッチーでテンポが速かった! | 「夢幻堂」ブログ 5 日常のヱスキース

昔の雅楽はキャッチーでテンポが速かった!

最近は雅楽に関心を持つようになった方も多くなり、雅楽の練習所には抽選で選ぶくらい、雅楽を習いたい方が来られるようです。

 

小生のバンド仲間も、笙の音色が好きで「やってみたい!」なんて言ってます(`∀´)

 

 

 

しかし、一方でこんな事を思う方もいるんじゃないでしょうか?

 

「テンポが遅い。」

 

「どれも同じように聞こえる。」

 

 

1000年以上前から我が国で受け継がれてきた雅楽ですが、「平安時代の人は、こんなゆっくりの曲を聴くくらい、のんびりしてたんやな~」なんて言ったり(笑)

 

習ってる小生も、実は思ってます(;´▽`A``

 

響きや音色は良い!しかし、なんでこんなにテンポが遅いのか?どれも同じ曲ばっかりやな~・・・習ってるくせに(^▽^;)

 

 

 

 

 

不思議に思って検索して見ると、こんなページがありました。

 

1000年掛けて間延びしちゃった雅楽を元のテンポで演奏してみたよ@京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター

 

平安・鎌倉時代の雅楽はこんな曲!?

 

 

 

平安時代頃にスタイルが確立された雅楽ですが、その頃はテンポもはやく、メロディーが聴きやすく、琵琶や琴もメロディーを弾いていたそうです。

 

 

ところが、応仁の乱を始め、戦国時代を迎えると、雅楽が滅びの危機を迎えます。

 

「○○家伝統の秘伝の技」というような、家ごとに秘伝の技や曲等が受け継がれたものが増えた結果、その家が滅ぶと、その技術が受け継がれなくなってしまいます( ̄_ ̄ i)

 

 

江戸時代頃になって復興し始めるんですが、その頃には、平安時代のスタイルではなくなっていたんやそうです。

 

 

江戸中期、18世紀ごろの老中、松平定信が、「俗学問答」という本で、このような事を書いてるそうです。

この頃、幕府は、雅楽を儀式音楽として雅楽を重視したそうですが・・・

 

 

「演奏を荘厳にしようと思って、節奏なくただむやみに引きのばして吹き、鞨鼓・太鼓・舞までも、拍子に合う演奏を野暮とみなし、筝なども(メロディをかなでる)左手を用いてこそ全体の演奏に合うはずなのに、今はそれも省き、いかにも面白くない演奏を高尚な演奏であると心得ている。(このために雅楽を聴くと)普通の人間はただ眠気を催してしまうのである。」

 

平安の調べを聴く ー雅楽の響きー4  より

 

 

 

あれ・・・今われわれが思ってることと同じこと言ってるような・・・(笑)

 

 

この頃にはすでに荘厳さを出そうとテンポが遅くなってる雅楽ですが、それでも明治時代に録音された雅楽のテンポは、今の3倍速かったそうです!

 

聴いてみたいんですが、そのCD、なかなか手に入りません(;´▽`A``

 

 

 

明治政府も雅楽を重要視したそうですが、外国を意識して、演奏は荘厳さを出すようにという注文をしたのだとか。

 

そして、どんどん間延びしたのだそうです。

 

 

 

 

 

歌の越天楽今様と、雅楽の越天楽を聴き比べるだけでも全然テンポが違うのが分かりますが、平安時代、鎌倉時代の演奏を再現しようと試みた京都の音楽研究グループがあるようです。

 

1000年かけて間延びしたという、音楽学者ローレンス・ピッケン(Laurence Picken,1909〜2007)の唱えた説があるそうで、その間延びしたテンポを元に戻そうと言う試みがされています。

Youtubeに動画がアップされてます(*^▽^*)

 

 

 

まずは、現在のスタイルの雅楽「想夫恋」

 

 

 

 

こちらが、平安時代・鎌倉時代の古譜にもとづく再現「想夫恋」

 

 

 

 

 

 

う~む、演奏がまだまだ・・・あ、失礼(^▽^;)

 

全員、初心者のためミスも多い・・・との事です。

 

 

いやあしかし、再現した方がアップテンポで聴きやすいですね~☆

 

息つぎのタイミングも、全然違ってると思います。

 

 

これの他に、蘭稜王という曲を再現したものがありますが、メロディーが分かりやすく、古代のシナ大陸の雰囲気が伝わってきます(^_^)

 

 

平安時代・鎌倉時代の古譜にもとづく再現「蘭稜王」

 

 

 

 

 

現在の音源を聴いた時、なんて退屈な曲なんやろうと思ってたんですが、上記の内容を見て納得しました!

 

 

 

今の雅楽はテンポが遅すぎるので、ぼちぼち昔のテンポにしてもいいのではないでしょうか?

 

今の荘厳で重いのも良いかもしれませんが、昔の軽やかで聴きやすい方も良いと思います。

 

これまでの雅楽の作曲家も、作者の思った通りに演奏してほしいと思ってる気がします。