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これは、実話であり、神話であり、魂の物語でもあります。
夢と現実を行き来しながらも、すべてが繋がっている不思議な実話の物語。
全体的にBLあり。ご注意ください。
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登場人物紹介
クラール／主人公
火星の隕石アレースの4人姉弟の次男。
火星と地球の融合物質モルダバイトに宿る精霊。
16歳。緑の光が差し込む銀髪がポイント。
モルダバイトの宝石のような瞳を持つ美少年。
とても優しいのだけど、たまに口が悪い。
アレース／大王（もと大魔王）
クラールの父親。火星の隕石。もと荒れくれ者。
2020年台風12号ドルフィンを呼んだ張本人。
最初は最低最悪な魔王だったのだけれど…
電磁波をゼロにしたら、ほぼ無力化に成功！
性格も温厚になり、優しいところまである。
あまりにも魔力が弱まり過ぎて、頼りない感じになってしまいました💦
ロック／火星の保安官の精霊
優しい性格をした、西部劇の保安官姿のイケメン。
アレースの奥さん（現在も火星に滞在）に
『旦那が暴れたらヨロシク！』
と言われ、地球にやってきた。
拳銃と縄と手錠で悪者と戦う！
……でも、今回は電磁波をゼロにしていたので、あまり活躍できませんでした💦
オルゴニャイト／総司令官の精霊
ネコ型のラピスラズリのオルゴナイト。
ラピスラズリ色の体に金の瞳を持つネコ。
身体に
金粉が散りばめられているのも特徴。
あらゆる天然石の能力を熟知しており、どう使えば希望が持てるのかを、指示してくれる、頼れる存在。
二本足で立つネコを想像してもらえれば…。
外見も喋り方も、とってもキュート💕
ニケ／クラールのお姉さんの精霊
アレースさんの長女。
火星生まれのパラサイト隕石の精霊。
美女。だが勝気で男勝りな性格。
怒らせると、物凄く怖い！！
ケイ／クラールの弟の精霊
アレースの末っ子。
じゅらいが持つアレース姉弟の中で一番優しい子。
正義感が強く、子供向けアニメの主人公的な性格をしています。
アレースさんの子供の中では、長男のモルダさんが一番優しくて温厚な性格なのだけど、別のおうちに住んでいます。
ビジョンのフェナカイト／アイテム扱い
ロシア産原石タイプのペンダントトップ。
台風12号の件が終わったあとに購入しました。
ビジョンにアクセスされるクラールには、とても心強いアイテム。
アイテム扱いですが、メッセージは読み取れます。
じゅらい／ブログの管理人
魂のメッセージを時々受け取る事ができる。
神様、精霊、妖怪、幽霊、物の記憶の断片などなど。
クラールには出来ない人間の魂を成仏させることが、他の天然石のパワーなどを借りながら行う事ができる。（……成仏出来ない魂もある）
悪霊と言っても、悲しい思いをしている魂は、わたしが成仏させてあげるしか無い！！
……って、わたしに任せて大丈夫なの？！
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★これまでのおはなし★
2020年10月6日。この日、地球に火星が接近。
そのため、台風の電磁波のエネルギーが切り替わり、得体の知れない『大魔王ディアボロ』が出現！！
絶望の淵に立たされたこれど、究極の奥義『カタカムナ』を唱えて、『希望の光』（という名前の神様）を出現させる事に成功！だが事態は改善されず…。
台風の脅威に絶望し、途方にくれたあと
神々の会議が開かれて決断されたのは…。
『クラールの命を台風の神に献上する事』
クラールは、シルフィアという天然石の精霊に、最期のお別れを言いに行くのでした。
今回は、その続きのおはなしです。
꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°
2020年10月7日（水）
台風発生から3日目。
クラール
『……くっ！！くそぉっ！！』
クラールは悲しみと怒りで拳を震えさせました。
特攻隊の少年
『それでも、俺は家族を守りたかった！！
愛すべき家族を！！愛する母を！！
この命と引き換えにしてでも護りたかったんだ！』
泣きながら訴えてくる少年の思念の残像を見て、クラールは静かに肯きました。
クラール
『……わかった。わかったぜ…。
お前と俺は同じなんだ。だから……。
そう、俺も特攻隊としていかなくちゃな。
……お国のため……ってか』
特攻隊の少年
『違うよ。愛する家族のため。
愛する家族を守るため』
クラール
『愛する……家族の……』
クラールは一瞬、アリスさんを想い浮かべました。
しかし、自分が逢いに行けば、必ず止められてしまう。そんな風に思って考え直したのです。
クラール
『シルフィアに……逢いに行こう。
最期の……お別れを言わなくちゃ…』
＊ ＊ ＊
〜〜最期のあいさつ〜〜
クラールは思念を飛ばして、シルフィアに出逢いました。
シルフィアがとても美しい女性のような姿に変わっていた事に、かなり驚きましたが、それでも、シルフィアである事には間違いがないため、クラールは覚悟を決めて、あいさつをしました。
クラール
『よっ。元気？』
シルフィア
『クラール！！ どうして、ここに？』
クラール
『……実は…あの台風チャンホンを止めるために
俺の命を差し出さなくちゃならなくなって…』
シルフィア
『そんな！！お願い！危ないことをしないで！
行かないで！！お願い！！』
シルフィアはクラールにぎゅっと抱きついて、涙を零しながら引き留めました。
クラール
『離せよ…』
シルフィア
『イヤだ！イヤだ！！イヤダァアアア！！
クラールが死ぬなんて、そんなのイヤァア！！
そんなんだったら！台風なんてどうだっていい！
クラールの命の方が大切だもの！！
お願い！！行かないで！！行かないで、クラール！！
私は、クラールの事が大好きなんだから！！』
クラール
『……アリスよりも…？』
クラールは怪訝な顔で問いかけると、シルフィアはコクンと肯きました。
クラール
『誰よりも……クラールのことが好き！
クラールを一番愛してる』
その瞬間、クラールは心が引き裂かれてしまう感覚に陥りました。
シルフィアさんは本来、アリスさんを一番大切に思うブレスレットで、どんな時だって、クラールよりも、アリスさんが一番だったのです。
それなのに……。
クラール
『お前……アリスに……精神を……』
精神を改造された。
天然石に宿る精霊は、些細な事で改変してしまいます。
やはり……人間ありきの存在なのです。
クラール
『わかった。よくわかった』
シルフィア
『え？ じゃあ…！！』
シルフィアは期待を込めてクラールを見つめましたが、クラールは視線を逸らして振り切りました。
クラール
『良くわかった！！良くわかったぜ！！
もう、俺の大好きなものなんて！！
とっくに！！とっくに無くなっていたんだって！！
もう、お前なんて、俺の好きなシルフィアじゃない！
もう、二度と逢わなくていい！！あばよ！！』
クラールが走り去って行くと、シルフィアは泣きながら叫びました。
シルフィア
『ヤダァ！！ヤダよォオオ！
死んじゃイヤダァアアア！！』
そんなシルフィアの叫びですら、クラールの心を酷く傷つけてしまっていたのです。
クラールが本当に護りたいもの。
それは……『人間を大切に想う天然石』
それが、もう壊されてしまって、何も無くなってしまっていたなんて……。
クラールはシルフィアと別れたあと、また一人で部屋に閉じこもりました。
クラール
『俺は……何を……。
一体、何を…愛していたんだろう…？』
真っ暗な空白が心の中に広がって、何も感じなくなってしまいました。
護りたいもの。護るべきもの……。
クラール
『……どう……して……？』
クラールは天井を見上げて呟きました。
クラール
『……やっぱり……俺らの気持ちなんて…
あって無いようなもの……なんだろうか…
……こんなにも……人間に…左右されて…
……そっか。……そうなんだ……。
やっぱり……人間って…すごいな……。
人間には……敵わないな……。
俺たちは…変わりたくなくても……
こんなに、変わってしまうというのに……！』
クラールは自分が透明になっていく感覚に陥りました。
まっさらで何も無い。虚無。
クラール
『それなら……もう…
人間を護るしか他に道は無いじゃないか。
……人間の方が偉くて価値があるのなら…。
……なんで、俺は人間じゃないのかなぁ…！
人間だったら……良かったのになぁ……！！
人間だったら！！
人間だったら……こんなにも、悲しい思いなんてしなくていいだろうに！！
人間だったら！！うっ、うう…！
うわぁああああああああああああああ！！』
ほんの些細な事で変わってしまう
非常にデリケートな存在。
思考も、性格も、彼らが抱えている想いさえ…
人間が少しでもいじってしまうと
全く姿も形も性格すら変わってしまう存在。
それこそが人間のための存在なのだと。
そう神に言われて生き続けてきた存在。
クラールは、自分自身がシルフィアから愛されても、ちっとも嬉しくありませんでした。
『それが一番いいだろう』と思いやってくれる人間の優しい心を、クラールは全て感じ取っていました。
本来のシルフィアが大好きで大切なもので
すごく護りたいものであったのに……
『ご主人がすべて』
そうやって微笑むシルフィアが大好きだったのに……。
それが抹消されてしまったら……。
クラールの心は粉々に砕け散ってしまったのです。
この時から……クラールは変わってしまいました。
今まで天然石のために尽くす存在だった彼は…
天然石を護りたいと思っていた彼だったのに…。
天然石にとってベストを尽くす方法も知っていた彼だったのに……。
粉々に砕け散った心は、彼の思考を大きく変えてしまったのです。
天然石のための存在ではなくて……
人間のためだけに尽くそう。……と。
この身をかけて護るのは……人間そのものだ…と。
もはや、そこには天然石としての自我など消えてなくなってしまっていました。
クラールという存在が、天然石から抜け出して誕生したのです。
彼は……絶望してしまったのです。
天然石という存在に。
人間によって一瞬で変えられてしまう、天然石という存在に。
クラール
『行こう。もう時間だ』
クラールは部屋を出て家族と仲間たちと、最期のお別れをしに行きました。
次回へ続く！
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天然石の精霊という存在って…本当に不思議な存在だと気付かされました。
マイナスエネルギーは浄化をしなければ、人間の気を浴びて、どんどん濁っていくし…。
本当に、ちょっとしたことで、全く別の顔になるし…。
でも、それくらい、自由自在に変幻出来るからこそ、それゆえに美しくパワーが強いのかも知れません。
ただ、そこに人間のような自我が芽生えてしまったクラールのような存在だと、とてもつらいのだろうな…。と思いました。
ほとんどの人間は、天然石を道具としか見ていません。
パートナーであっても、アクセサリーなんて飾りみたいなもので、主ではないし、意味を持たない。
空気を司る精霊の存在も、暴雨を呼ぶ大気の精霊の存在も、地震を起こす大地の精霊の存在もあるのだと知ってから、彼らがいかに、
『人間のために都合の良い世界』を
『わざわざ創り出してくれていた』
という事に、わたしは気づかされました。
もうこれは……
カタカムナにも通じるものがあり……
『カタカムナ』は……
48字の音でできており、それらの響きが物質や生命体の『カタ』であり、
そこに目に見えない広がりが『カム』の核（かく）である『ナ』からできている。
目には見えないものが核である。
それこそが、世界を創り出していている。
それは大変危険な思想でもありますが、これこそが、実は必要な考え方になってきた世の中に移り変わっている時代では無いのでしょうか？
……なんて、思ってしまいました。