日本のことわざに、「親の心子知らず」というのがあります。

ごもっともだと思います。

子どもが、親の気持ちや考えを理解できないなんてことは、日常茶飯事であり、当たり前のことだと思うのです。

海外のナントカ遺跡には「近頃の若い者は…」と書かれているそうです。

親子の話だけでなく、ジェネレーションギャップについても世界各国で発生しているのです。

逆に、「子の心、親知らず」ということも発生しておりますし、若者からすると「まったく、だから嫌なんだよ。古い考えをおしつけやがって、年寄りめ」なんてこともあります。

どうでしょう？

いつの時代も、変わらないと思うのです。

要するに、立場(視座)が変わると視点、視野、思考が変わってしまうのです。

これは簡単な話で、北海道に住んでいる人が沖縄の現状を語れないという状況です。

「昔、沖縄に住んでいた」という場合、少しは理解があるかもしれませんが。

それでも、現在の沖縄とは違うでしょう。

上司や先輩が、部下や後輩の育成に悩んでいるのは良くあります。

同様に、親が子どもの教育やしつけに悩むことがあります。

それは、視点が違うから、当たり前のことなのです。

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さてさて、ここから話を少し変えますが。

スイスの心理学者、ジャン・ピアジェの「３つ山実験」について書いていきます。

①台の上に、形の違う山のオブジェを３つ並べます。

②子どもを台の手前(A)に立たせ、３つの山がどうなっているか話してもらいます。

・1番奥が大きい山Ｚ

・左の山はてっぺんに教会Ｙ

・手前の右にあるのは山は１番小さいＸ

③次に、人形を他の場所(B〜D)に置きます。

④そしてＡ地点に立っている子どもに尋ねます「人形さんはどう見えているでしょう？」と。

これに、正確に答えることができるのかという実験です。

…さて、結果はどうかと言いいますと。

●4〜5歳：人形は自分と同じように見えている。

●7〜9歳：人形は自分と違うように見えているが、説明はできない。

●10歳〜：人形と自分の見え方の違いをしっかりと説明できる。

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以上のような結果だったそうです。

つまり、人間というのは〝他者の視点〟を理解するまでに、生まれてから10年程かかっているのです。

親や周囲の友達と何度となくセッションを繰り返して解るようになりますが、時間が掛かるのです。

要するに、子どもに対して「パパの言ってること、わかったよね」などと言っても、理解しているのは上辺くらいで、本当の意味とか、親の想いは理解できないのです。

いくら発達が早そうな子どもでも、結局のところ、脳みその発達が追いついていないわけです。

物事には、身体と脳みその発達＋経験が必要なのです。

んで、実際に親の心を理解できるようになるのは、自分自身が「親」という立場になってからになりますが。

それでも、理解しきれるものではありません。

そして、話は変わります。

ここまで、子どもの話をしてきましたが。

会社などの組織では「上司（先輩）の心、部下（後輩）知らず」という問題が、とても多くあるのです。

大人になると〝他者の視点〟だけでなく、〝他者の思考〟すら理解するように求められますよね。

ここの習熟度に違いが出るのは、幼少期からトレーニングしているかどうかだと思います。

私が、観察していて思うのは。

子どもが他者視点を理解できるまでに、10年掛かるわけですが。

似たようなもので、先輩や上司の言っていることを理解できるまでに、10年くらい掛かっているように思います。

さすがに子どもではないので、これには個人差が大きく現れますが。

言葉を理解するだけでなく、上司や先輩の思考とか価値観を理解するには、時間だけでは解決できません。

それには、実際に自分が上司になってみないとわからないと思うのです。

社長の文句を言っている人たちは多くいますが、そういう人たちは、実際に社長になってみれば良いのです。

たぶん、「社長、文句言ってごめんね」って思うのではないでしょうか。

ここまで書いといてアレですが。

最終的に、他者の思考なんて知らなくても生きていけます。

そんなことを言うと、元も子もないですが。

ただ、他者の思考を理解できるようになると、かなり生きやすくなることでしょう。

最後まで目を通してくださった方々。

今日も、ヒマつぶしのネタに読んで頂いてありがとうございます。

社長の心、部下知らず