ずっと昔の「宅録」の話。
高校生の頃、ゆずさんを知ってフォークギターを買い、
曲を作っては家でひとり多重録音をして遊んでいました。
まったく本格的なものではなくて、
ラジカセで多重録音。
つまり、カセットテープで。
カセットテープでの多重録音は、
テープの再生が2デッキあるタイプの普通のラジカセを使い、
それに安いダイナミックマイクをつないで
マイクを机の上にただ置いて録音。
(マイクスタンドすら使ってない(笑))
※机を揺らすと「ゴトッ」と音が入るので揺らしてはいけません!
さて録音。
①まずはAのテープに普通に弾き語りを録音する。
⇒Aのテープが【①弾き語り】の状態になる。
②次にAを再生しながらBデッキを録音状態にして、ハモリとかを録音する。
⇒Bのテープが【①弾き語り+②ハモリ】という状態になる。
③つぎにBを再生しながらAを録音モードにし、例えばハーモニカを加える。
⇒するとAのテープが【①弾き語り+②ハモリ+③ハーモニカ】という状態になる。
あとはこれを好きなだけ繰り返す!!!
……なんて地味な作業。
この作業の大変なところは、
毎回、曲の始まりから終わりまでを繰り返さなければいけないこと。
例えば曲の1番サビの1行にハモリを加えるだけでも、
4分間の曲を1曲全部流しながら、ハモリの箇所だけ失敗さずに歌って、
そのあとは音を立てずにじっとしている必要がある(笑)
曲のラストにハモリを入れたくて、そこで失敗したら大変・・・
はじめからやり直しになる。。。
それと、このときはヘッドフォンとかイヤフォンとかせず、
ラジカセのスピーカーから実際に出た音を聴きながら録音していたので、
当然だけど、
多重録音の回数が増えるほど、音は雑音まじり
になっていく。
(たぶん、ヘッドフォンをしながらだと自分の出す音と混じって聴こえなくて、
タイミングがずれたりしたからだと思う。当時は、密閉型ヘッドフォンなんて知らなかったし、
仮に知っていても高くて買えなかったのだろう)
そんなわけで、
とても世間に流通できるようなクオリティを制作できる方法ではないのだけど、
空気感は最高だったんじゃないかな、と思う。
今はPCを使って、DAWで必要な箇所だけを録音し、
自由に音量もPANもエフェクターもいじれるけれど、
ラジカセで1発録りの繰り返しで作る多重録音は
すごく「ライブ感」があるように思う。
録音時の気持ちとか感情とか緊張感とか、
そういう「空気」が入っている感じがする。
デジタルじゃなくてアナログの音だしね。
なんか音がやわらかいよね。
最近はカセットテープが見直されているとも聞く。
またやってみたいなぁと思う。
いや、思ったならやろう。
「ThinkしたらDoする」
(中田のあっちゃんの名言)
そんな土曜日の朝。
今日は予定がいっぱいです。
有難いことです。