私はアウトドアウェアはパタゴニアの製品を使っています。

理由は、品質がとても良いからです。

しかし私がもともと購入していた理由は、その機能とデザインにひかれたからでした。

しかし使っていくうちにこのブランドはちょっと他とは違うということに気づいて、ブランドづくりの考え方がそもそも他とは異なっていることを知りました。

それはパタゴニアは「地球のことを考えるブランドである」ということです。

創業者のイヴォン・シュイナード氏はとにかく徹底的に地球のこと、自然のこと、環境のことを考える経営者として知られています。

そして、創業家の全株式を目的信託会社と非営利の社会福祉団体に寄付することで、本気度を世界に示して大きなインパクトを与えました。

いかに環境保護に資金をまわせるか。

いかに自社の経営観に忠実でいられるか。

そこを守ることに命をかけて経営をしている。

まるっきり、これまでのファッションブランドとは考え方が異なる会社。

それがパタゴニアです。

私がいま使っている冬のダウンコートはパタゴニアの中古です。

もともと社員の方が使っていたダウンコートです。

たまたま店に立ち寄った際にWornWearというプロジェクトのポップアップをやっていました。

今から3年ほど前に原宿の店舗でやっていた期間限定の取り組みですが、これがとてもおもしろいものでした。

「新品より中古を買おう」

というキャンペーンをやっていて、本来1Fで、一番売りたいはずの新品がひとつもおいていませんでした。

新品は2Fのはじっこに追いやられていて、1Fには中古品のみ。

ユーズドのウェアがずらりと並び、その中に「社員が持っていたけど必要なくなった商品を販売」として売られていたダウンコートを購入しました。

さすがに社員の方が着ていただけあって、丁寧に扱っていたことがわかる一着でした。

中古とは思えない商品。

しかし明らかに中古なので、クリーニングにだされていて、しかも安い。

さらに「新品買うよりこちらのほうがいいですよ」とスタッフが接客してくれる。

これはこれを買うしかないと思い、真夏の8月(?)だったと思いますが、ダウンコートを抱えて帰ったのをよく覚えています。

新品より中古を売る店としてこのブログでも紹介しました。

「Worn Wear」は、着ることについてのストーリーを祝い、皆様にギアを長く使っていただき、修理不能になったパタゴニア製品を簡単にリサイクルするための方法を提供するプログラムです。」

(同社プレスリリースより)

(写真　パタゴニアHPより)

同社のリユース、リサイクルの取り組みは本気で、こんなトラックを自前で作っています。これはリサイクルカー。

パタゴニアの洋服などをリサイクルすることができる職人が乗り込み、この荷台に乗ったミシンなどを使い、世界中のパタゴニア製品を改修しながらそれをお直ししてお客様にお渡しするというイベントをやり続けています。

こんなに手間のかかる取り組みを通常はしません。

儲からないからです。

しかし同社はやります。

なぜならそれがコミュニティを守るということであり、地球に負荷をかけないことであり、環境にやさしいということだからです。

こうした発想だからこそ、取引先の銀行が同社の環境基準に合わない場合は取引をやめるという決断もしています。

ここまで振り切った経営はなかなかできなかったと思いますが、これからの世界では、これくらいやらないと「環境にやさしい会社」とは言い切れないでしょう。

品質とは環境を守ることであり、自然を守ることであり、社会問題を変えることである。

このくらいの思いがある会社が結果的に伸びていく会社になるのです。

おもしろい時代になってきました。

私も今日、明日は農作業をして自然に触れてきます。

今日も地球のことを考えていけるいける!!

品質とは環境・社会問題であると言い切れる企業は生き残る