韓国の出生率が0.72。

これは日本の23年の出生数が76万人前後だったというニュースと前後して流れたものですが、そこまで低くなっていたのかと私は驚きました。

(写真　韓国でも日本でも人気のNew Jeans　ニューズウィークより)

韓国と言えば、最近の世界のエンタテインメントビジネスの中心。

K-POPが躍進し、米国の音楽チャート　ビルボードでもトップをとれるほど力をつけています。

中心人物は若者のアーティストたち。

彼らは10～20代で、毎日とんでもないほどのトレーニングを積み、歌とダンスのレベルを上げて世界で活躍するアーティストになっています。

彼らの活躍があって日本でも韓国人気が爆発。

韓国コスメ、韓国ファッション、韓国フードをはじめ、韓国のカルチャーが一気に日本に入ってきています。

それは今も続いています。

発信はやはり韓国の若者。

ニュートロ(新しい物と古い物の融合という造語)という新たなトレンドを生んだのも韓国の若者たち。

当然、韓国では若者が多く、子どもも生まれている元気な国　というイメージがありましたが、現実は違いました。

年間に生まれる子供は30万人を割って、23年で23万人だったそうです。

8年連続で前年を下回り、23年度は7%以上の減少です。

一人も新入生がいない小学校が157校もあるとか。

1学年がまるまるいないというのも驚きですが、それが157校とは。

1984年に出生率は2を割り込んでそれ以降だだ下がり。

2018年に0.98。

日本も少子化問題が叫ばれていますが現在1.26。

世界のOECD平均で1.58。

韓国だけが格段に低い数字です。

理由はいろいろあるようですが、やはり、教育費、不動産費の高さが原因。

さらに労働環境が厳しい現実があると言います。

子どもたちは小学生の時から夜遅くまで塾を掛け持ちして勉強しなければならないなど、受験熱はさらに高まっています。

しかし塾代が高い。

その塾代ねん出のために親は働かないといけない。

夜まで働くために子供を預けるところがない。

結果的に塾に子どもを通わせる　というソウルの教育、労働環境の問題もあるようです。

日本でも東京や大阪などの大都市では似たような傾向があるようにも思いますが、ソウルではそれをはるかに超える状況です。

韓国ではこうした少子化に対して財政投入を行って対応してきた　と報じられていました。

その額、17年間で37兆円!!

少子化対策を財政投入でなんとかしようとしてきたのです。

ところが少子化は止まらなかった。

韓国大統領は「財政投入を増やしても効果がなかった」と過去の少子化対策を反省していました。

優れた政策でも出生率を上げられるわけではない　と。

まさに今の日本の政策にも言えることではないでしょうか。

財政を投入したところで、将来不安がなくなるわけではありません。

未来に向けて「生きにくい」と感じているからこそ、状況が変わらないのです。

そのような状況に生まれた若者たちだからこそ、親の必要以上のサポートを受けて、育っているから、世界で活躍する若者が生まれている　　のかもしれません。

しかし多くの家庭はそこまでもいけていない。

むしろ苦しい状況が続いています。

この状況が続けば働き手もいなくなる　ということで、今後は外国人労働者の受け入れを一気に進めようと、ビザ取得を緩和していくそうです。

まさに日本の近未来を先にいっているようにも映ります。

日本も「異次元の少子化対策」とうたっていますが、財政出動だけでは韓国と同じような結末になるかもしれません。

経済支援だけでなく、不安の取り除き、おもしろさの実感、退館、子育て負担軽減、幼稚園、保育園、塾、学童サービス、放課後デイ充実など。

心理的側面からのアプローチ、物理的面からのサポート、さまざまな角度から考えられる施策をすべて実施しても足りないくらい、少子化を脱するためにはやることがあります。

日本の少子化も対策が不十分だと、10年後には韓国に近づく可能性があります。

日本の国力をどうつけていくか。

韓国の少子化を他人事にはせずに、自分事で考えていけるいける!!

財政投入をしても効果がなかった韓国の出生率低下は日本の未来の姿なのか?