2023年にラーメン店の倒産や休廃業が、過去最多になったという東京商工リサーチの調査結果を目にしました。

前年比でおよそ2倍。

年間45件の倒産。休廃業を含めると80件近い件数です。

ラーメン店のフランチャイズ店を展開していた企業が倒産したことも影響しているようです。

地域別では関東が多く、前年比で3.5倍。

特に東京はラーメン店の出店エリアとしてみな出店をめざしている地域。

都内の一等地に店をだしたくなる気持ちもわかりますが、それは売り上げが上がる前提での話。

見込み違いで売り上げが上がらないと途端に経費が圧迫して店を続けられなくなり閉店、倒産というケースになりやすいのです。

なぜラーメン店の倒産が増えているのか。

理由はいくつかあると思います。

まずひとつは、もともとの売り上げが高くないために、客数の減少が売り上げに大きく影響するということです。

コロナにより夜の人出が減っています。

特に夜8時以降のお客さんの動きが戻っていりません。

結果的に居酒屋や、飲んだ後の「シメ」のラーメン屋は影響を受けています。

結果的に客数が減り、売り上げが上がらないという状況です。

そこで、ゼロゼロ融資を受けたり休業補償を受けたりしていたのですが、23年からその返済が始まっています。

返済が始まると、もう資金繰りが厳しくなり、返済すらできずに廃業というケースも少なくないでしょう。

そもそも少ない利益の中でやりくりしていたのが、返済前提ではないからです。

利益が増えているならばなんとかなりますが、客数が減り売り上げが減っている現状では続けられない。

そこに、水道光熱費の上昇、仕入れコストの上昇、人件費の圧迫が重なってきました。

おそらく倒産、廃業予備軍がラーメン店にはまだたくさん控えていると思われます。

(写真　photohitoより)

ただ東京の飲食店で並んでいるのはラーメン屋というのも事実。

私のよく行く街ではラーメン屋の行列がまだ見られます。

それらのに店はたいてい1200円とか1300円くらいのラーメン屋であることが多い。

単価が1000円を超えているのです。

それでもお客さんが並びます。

純粋に「うまい」からです。

1000円だしても惜しくない。むしろ他のランチを食べるなら1000円のラーメンを食べたいと思わせる特徴があります。

しかし通常はラーメン屋では「1000円の壁」と言われ、1000円ラインを超えるとお客さんが突然来なくなるという暗黙のルール(?)のようなものがあります。

実際に普通のラーメンは800円～1000円未満で価格設定しているところが多いと思います。

ただこれでは都内の一等地で利益を出し続けることは難しい。

一等地で勝負するなら1000円を超える価値ある味が必要です。

その価値ある味を作れないなら、郊外で800円前後の価格設定で勝負するしかありません。

まさに、ラーメン山岡家のやり方です。

今後のラーメン店は、都心でやれる高価格設定に切り替えていくか。

それとも郊外でコストを抑えて客数を稼ぐのか。

ラーメン店の戦略転換が必要です。

今日も新たな戦略にシフトしていけるいける!!

ラーメン屋の倒産や休廃業が増えている