YAMAHAの新しい取り組みに驚きました。
「伝説のライブの音をそのまま真空パックのようにとじこめて、永遠に再現できるようにする」という取り組み、
Real Sound Viewing がそれです。
ロックバンドのLUNA SEAとアンバサダー契約を締結。
LUNA SEAのSUGIZOさんが数年前のプロジェクト始動からかかわっていて、その技術がある程度、完成に近づいてきたということで、メディア向けの発表会が行われたのでした。
メディア向けに披露されたのは、32年ぶりに目黒鹿鳴館で開催された150人限定ライブ『LUNA SEA Back in 鹿鳴館』の再現ライブです。
本物のライブではなく、本物のライブをまるごと録音し、それをそのままの音で再現しようという取り組みがこの取り組みの画期的なところです。
(写真 Yヤマハ『LUNA SEA Back in 鹿鳴館』再現ライブ)
この写真ではわかりづらいかもしれませんが、大きなモニターに当日のライブの映像が流れていて、その前にドラムセットなどがおかれているのですが、無人です。
ドラムを誰もたたいていないし、ギターもベースをひく人もいません。
しかし、まさにそこにLUNA SEAがいて、リアルにライブをしているからのような「音」でライブを見れているような場の再現をしているのです。
このようなライブ再現は、映画のような見せ方ではすでに何度も行われています。
まさに映画館のような音響の優れた施設を使って、そこの大きなスクリーンにライブ映像を映して、その時に録音した音と映像を映し出す。
これでももちろんリアルなライブに近い音が体感できますが、実際に会場で聴いている音とは違います。
バスドラの音、シンバルの音、ギターの高音、ベースの響くような低音、ボーカルの息遣いなど。
そして、リアルに見る照明やレーザーの動き、光の感じはもちろん違います。
会場にいた人たちの歓声も小さく録音されます。
結果的にリアルなライブ映像とはなっていませんが、それがリアルに近いものとして今までは取り扱われてきました。
しかしYAMAHAではこれまでボーカロイドなど新しい技術を開発して音の世界を革新してきました。
開発責任者は、とにかく伝説のライブの音、世界的な有名アーティストが元気にライブをやれているうちに、その音や映像をまるごとデータに残したいと考えているそうです。そうすれば、永遠に、本物のライブをファンはずっと体感し続けることができるからです。自分自身がめちゃくちゃ感動したライブがあったので、それをいつまでも保存できたらという思いから開発を進めてきているのが原動力です。
このYAMAHAの開発担当者、ヤマハ(株)ミュージックコネクト推進部 企画・開発担当の柘植 秀幸氏の思いに共感したのが、LUNA SEAのSUGIZO氏。
駒かなところまでアドバイスを続け、9月には正式なアンバサダーにLUNA SEAが就任したのです。
私はLUNA SEAのファンではありませんが、ここで再現されていた音や空気感を見て、これはすごい技術だし、今後、このような形でどんどんいい音を残してほしいと思いました。
ライブをしている方たちが一番重要しているのは、そのライブの空間全体こそが価値。五感で感じられるすべてが揃ってはじめてライブとなります。
それを体感できるから、みなライブに足を運びます。
そのライブが本人たちがいなくてもいつでもどこでも再現できるとなれば、もしアーティストが今後演奏できない、いなくなってしまっても、いつまでもその演奏をし続けることができます。
永遠にライブをし続けることができるとも言えます。
もちろんこれをやり続けるためには、印税契約をどのように結ぶのかなどさまざまな問題をクリアしなければなりません。
課題はありますが、今後の音楽の世界をとても広げていく取り組みだと感じました。
まさにイノペーションです。
非常に刺激的な取り組みにワクワクしました。
今日も良い物を永遠に残すための取り組みに感動していけるいける!!