東京の銀座と言えばラグジュアリーブランドの聖地。

世界中のブランドが出店したくてたまらない街と言われています。

私の記憶では2008年9月、銀座中央通りにH&M銀座店を日本一号店としてオープンしたころから銀座にカジュアル系のブランド出店が増えるようになり、銀座の街並みが変わり始めました。

 

この頃の銀座の家賃も相当高く、H&Mは1棟まるごとビルを借りていましたが、過去最高レベルの家賃を支払っていました。

理由は

「広告塔として考えているので、高くてもかまわない」

というものでした。

 

その後、H&Mは世界的なファストファッションブームの終焉と銀座のビルの賃貸借契約が10年で終わったため、2018年に退店しました。

 

この間の10年間、ラグジュアリーブランドは東京よりも上海 と中国に拠点となる店を移す動きもありましたが、2015年前後から徐々に東京、特に銀座と表参道に店が戻り始め、コロナ禍前の2019年ごろには東京をあらためてアジアの拠点にする動きになってきました。

再び東京が、特に銀座と表参道が中心エリアとなってきたのです。

 

特に銀座に店をだすというのは世界中に出店するブランドからすれば、ある意味、広告を年中だしているようなもの。

だから、家賃は高くて、売り上げがそこまでとれなくても、十分に出店する価値があるというものです。

これは今のほうがより強まっているのではないかと思います。

 

そんなこともあり、銀座にはありとあらゆるブランドが集まるようになりました。

テナントまでいれたら、低価格ブランドから超高級ブランドにいたるまで、ほぼすべてのブランドが集まっています。

そして路面店はラグジュアリーブランドのアジアの旗艦店舗が出そろっています。

 

(写真 銀座中央通り 銀座一丁目あたり)

 

不動産サービス大手 CBREによると、この1年の銀座の坪当たり家賃は、中央通りや晴海通りで、25万から42万円です。

1坪当たりの家賃というところが驚きです。

平均で坪33万円!!

10坪(そんな小さなところはありませんが)で330万円。年間4000万近くになります。

 

ブランドショップが銀座路面に出店する際にはどんなに小さくても40坪、できれば100坪ほどで展開します。

坪33万円としても月に1320万円。

100坪であれば3300万円。

年間4億近い家賃が発生することになります。

 

それでも銀座に店をだす価値があると見ています。

なぜなら、銀座は世界中から観光客が集まる街であり、実際に売り上げも高くとれる立地でもあるからです。

広告価値という面もありますが、過去、ギャップやH&M、ユニクロ、ワークマンのようなカジュアルブランドも世界(日本)で一番売り上げが高い店は銀座ということもありました。

銀座は広告だけでなく売れるのです。

 

結果的にさまざまなブランドが銀座に集まります。

現在はインバウンドで都内にはたくさんの海外観光客が集まってきています。

2023年には年間で2000万人近いインバウンドがあったそうです。

中でも銀座は浅草と秋葉原、新宿、原宿などとならんで一番人気の街。

特に銀座は、古さと新しさを併せ持った街として人気です。

この傾向は今後も続くでしょう。

それにあわせて海外ブランドの出店がまだ数年は続いていきそうです。

 

銀座は老舗も多いですが、実は常に新参者を受け入れて活性化してきたダイナミックな街でもあります。

続いていく街というのは銀座のような柔軟性を持ち合わせた街とも言えます。

そんな街の姿勢が魅力を作り出しているとも言えます。

 

今日も銀座の柔軟性に学びいけるいける!!