M&Aの世界も大きく変わり始めているのか。

水面下ではこのような動きは過去にも何度かあったかもしれません。

日本ではダントツトップの小売業、セブン&アイがカナダの企業から買収提案を受けているというニュースには驚きました。

今のところ「真摯な買収提案」ということで、セブンの取締役会が特別委員会を立ち上げて、買収提案の精査に入り始めたというところまでがわかっています。

ここまでが今のところ進んでいる内容です。

この先、交渉などがあり、検討した結果、提案を取り下げるか、買収に応じるように動いていくか。

今後、予断を許さない状況が続いていきます。

このような大型の案件が日本の小売業をターゲットに起きるような時代になったことが一つ目の驚き。

もう一つは、日本ではほぼ知られていないカナダの小売業、アリマンタシォン・クシュタールという企業から買収提案を受けたというのに驚きました。

 

ちょっと聞きなれないこの名前。

フランス語の造語のようです。

 

Alimentation Couche-Tard


意味はAlimentationがフランス語で食品。

Couche Tardは夜ふかし。

夜中まで食品を売る店というような意味合いでしょうか。

シンボルにふくろうのキャラクターをつけています。

 

 

 

日本ではほぼ知られていないと書きましたが、企業規模はとても大きく、セブン&アイぐらいの規模を持っています。

 

売上高は10兆円。(セブンは11兆円)

店舗数は1万7千店舗(セブンは2万店舗以上)

セブンのほうが大きいのですが、株式の時価総額ではアリマンタシォンが8兆円を超えるのに対してセブンは5兆円。

昨日一日で1兆円時価総額が増えたにもかかわらず、まだ3兆円以上の差があるという企業です。

 

北米のガソリンスタンド併設のコンビニなどを同社は展開しているので、私はガソリンスタンド経営のローカルコンビニだと思っていたのですが、規模感がまったく違いました。

サークルKも含めてヨーロッパでも展開しています。

 

そしてこの20年くらいの同社の歴史をWikipediaで見ると、まさに買収の繰り返し。

フランスのカルフールにまで買収提案をして、フランス政府に断られ、事業提携になったということもあったらしい。

セブンにも4年前に一度、買収提案をしていた過去もあったようです。

つまり同社は世界中の小売業で可能性のある企業に対して、積極的に買収提案をする企業なのです。

 

これからセブン&アイでは精査していくことになりますが、自社で経営をし続けることの価値とアリマンタシォンが経営することの価値を比べて、いかに自社だけで経営した方が独自性があり成長性があるかなどを示さなければ、強い提案がくる可能性もあります。

 

セブン&アイがどのような企業とどのようなアイデアを投げていくのか。非常に気になるところです。

 

今日も企業の価値を考えていけるいける!!