ドライヤーの高価格帯へのシフトが進んでいるという話はとても興味深いものでした。

先日、池袋の西武百貨店にできたヨドバシのヨドブルームで体験した際にも、ドライヤーのアイテム数より、ドライヤーの価格帯に目を奪われました。

サンプルとして陳列されているドライヤーは、ほぼ5万円前後の商品だったからです。

安くても3~4万円、高い物では10万円近いものまでありました。

ドライヤーっていつからこんなに高くなったのだろうと思っていましたが、特にこの3~4年で上がってきたことがわかりました。

 

富士経済の調査によるとドライヤー市場規模はおよそ650億円ほどあります。

意外と大きくない市場です。

おそらく購買頻度がそれほど高くない商品なので、市場が大きくはならないのでしょう。単価の割には小さめの市場です。

 

つまり一度購入するとしばらくはそのドライヤーを使い続けることになります。

私が使っているドライヤーも、もう5年以上使っていると思います。

パナソニックのナノケアブランドのドライヤーです。

 

使用期間が長いということも、高単価の一因になっていると思いますが、それ以上に、機能性が高まり価格が上がっていることがあるようです。

 

パナソニックでは9月からナノケアブランドの新商品を発売するようですが、予想販売価格は8万5千円!!です。

従来のドライヤーの2倍以上。

これまでの最上位機種が3万9千円だったということですからかなり価格を引き上げることになります。

それでもいけると踏んでいるのは競合メーカーの高単価商品の存在です。

 

リュミエリーナという会社のドライヤーは11万円を超えます。

髪の潤いを引き出すとSNSで話題になっています。

 

美容・健康家電メーカーとして有名なヤーマンのドライヤーは5万円超え。

ヨドブルームにもありましたが、スイッチひとつで美顔器にもドライヤーにもなるという商品です。

掃除機メーカーのダイソンのドライヤーも5万円近い商品です。

デザインが変わっているので目立つのですが、小さいのに風量が非常に強いので売り場で試すと買いたくなるドライヤーです。

 

(写真 美stより ダイソンドライヤー)

 

2024年のヘアドライヤー市場の中で3万円以上の高額ドライヤーの比率は39%。

5000円~3万円未満 44%

5000円未満が17%

となっています。

 

2020年には3万円以上は13%。

5000円~3万円未満 48%

5000円未満が39%

でしたから、まさに高価格帯と低価格帯が入れ替わっています。

 

安いドライヤーが減り高いものが増えた。なぜか。

コロナ禍で家庭で髪を自分で手入れする人が圧倒的に増えたことが理由です。

 

美容院に行く機会が減ったことで、家庭でケアする流れが強まったのです。

そこで美容室でも使っているプロ向けのドライヤーが売れたり、ドライヤーでも機能性重視、複数の機能をもったものを求めるようになり高価格帯にシフトしたのです。

 

コロナ禍は美容家電の中身も大きく変えたのですね。

 

一度作られたこの流れはコロナ禍以降も速し、今後も高価格帯が増えていくでしょう。

ドライヤーという美容家電市場。

今日も小さいけど伸びている市場に注目していけるいける!!