石川県白山市に本社があるクスリのアオキHDという会社があります。
同社の故 青木桂生会長には一時お世話になり、ご自宅にもお邪魔させていただいたことがあります。
故 青木会長が同社を個人薬局から、一大ドラッグストアに引き上げた創業者です。
会長が昔、前職の会社にもお世話になっていたり、私が統括していた会員組織にも所属されていたことがあったり、私のお世話になっているお客様が青木会長にとてもかわいがられていたことなどがあってつながりがあったため、いろいろとお話をさせていただいたことを覚えています。
そのクスリのアオキの臨時株主総会があり、あることが決定されました。
それは「買収防衛策」の決定です。
特定の株主グループが所定の手続きに従わずに議決権割合が20%以上となる買い付けに動く場合、他の株主に無償で新株予約券を割り当てるいうもの。
もしどこかの会社が同社の株を大量に買いたいと言ってきた場合には、それが妥当かどうかを自社の株主と共に判断しますよ。それで価値が落ちるとなれば、買収されないように、ほかの株主に対して大量に新株予約券を配り、結果的に買収できないようにさせてもらいます という対応策です。
これはある意味、ドラッグストア業界再編に対する、ひとつの明確な意思を表したものです。
それは、「ドラッグストアの再編の中で、うちの会社は独自路線を貫いて、どこの傘下にもなるつもりはない」という意思です。
いまドラッグストア業界は再編の嵐の真っただ中にいます。
つい先日も、業界1位のウエルシアと北海道のツルハが一緒になりました。
ダントツの業界1位のドラッグストアチェーンの誕生です。
これは私も記事に書きました。
その中でも触れたのですが、中途半端な規模のドラッグストアは生き残りが難しい時代に入ってきたということです。
と言うのは、もうドラッグストアは日本国内だけの業界ではなく、いかに世界で戦えるかが問われているのです。
国内でこれ以上、拡大を進めることは事実上難しくなっています。
だから他の業種を付加したり、他の企業とくっついたり、連携したり、コラボしたりといったことが増えています。
アインファーマシーがフランフランを買収したのもそう。
スギ薬局が敷地内にホテルをつくるという動きもその一つです。
フード&ドラッグ というのがドラッグストアのひとつの勝ち筋でしたが、今やフード&ドラッグこそがドラッグストアの標準形になりました。
もう食品を付加するだけでは勝ち残れないのがドラッグストアなのです。
ですので、ドラッグストアという業界で生き残りをかけるためには、より規模を拡大してバイイングパワーをつけ、さまざまな業種を取り込んで、売上高を上げていく方向しかない とも言えます。
同時に国内だけでなく海外で戦っていける企業にならないと難しいのです。
だから、どんどん各社はくっついて、規模の拡大に走っているわけです。
このような流れの中で、クスリのアオキは、大手の傘下になるつもりはないという意向を示しました。
ある意味、地方のドラッグストアとして、地域貢献していく企業であり続けることを選んだのです。
同社の社長は「独立起業のほうが世の中の変化に早く対応できる」と言っています。
大手傘下になるより、確かに素早く意思決定できるでしょう。
ただ、大手のように大胆な投資をしていくことがなかなか難しくなるかもしれませんし、競合対策をとられていくことも想像できます。
また、社外取締役だった大株主のイオンの岡田会長に辞任を要求し、代わりに元 第一三共の会長を務めた方をいれるという決議も今回されました。
イオングループが今後、石川県内などに多くの店をだしていくことも考えられます。
特に食品スーパー系の店舗が増えてくるかもしれません。
クスリのアオキのもうひとつの大株主はオアシス・マネジメントという本稿の投資ファンドです。
イオンとツルハで15%、オアシスで11%を持ちます。
そして創業家で40%ほどを持つというのが大株主のメインメンバー。
ここから同社がどのように立ち回っていくのか。
非常に興味深い取り組みです。
激変のドラッグストア業界の中で、どんな企業づくりをしていくのか。
今日も激変する業界の中での立ち位置を考えていけるいける!!





