『日常の中で覚醒する:あるがままを見つめ、表現して生きる――クリシュナムルティを扉に』
2026年6月18日Kindleで発売しました。
定価980円
Kindle Unlimited無料
以下、Amazonの概要と「まえがき」を掲載します。
自我を超え、断片化された世界を超える。
個人と世界を繋ぐ、新しい覚醒論。
AI依存。
SNSによるマウント合戦。
ナショナリズム。
陰謀論。
政治的対立。
宗教的対立。
現代社会はかつてないほど断片化され、人々は比較し、承認を求め、孤独になり、対立を深めています。
なぜ人は、これほど分断され、争い、苦しむのでしょうか。
本書は、その原因を「自我による分離」と「断片との一体化」に見ます。
20世紀を代表する宗教的哲学者・J.クリシュナムルティの思想を扉にしながら、
・「私」の苦しみの正体
・比較や承認欲求の原理
・自我の中核を解体した先の認識の転換
・創造的人間と新しい世界観
を21世紀の諸問題に結び付けて明らかにします。
個人が自我を解体し、超えることで、新しい関係性と新しい世界を創造するビジョンを提示します。
既存の宗教や、覚醒論の枠を超えた新しい視点を求めている方。
SNSや、情報社会の息苦しさに疲れている方。
「本当に自由に生きるとは何か」を問い始めた方へ。
「私」を超えた、新しい世界の見方がここから始まります。
もくじ
まえがき――本書が生まれるまで
第1章 あるがままを見る
第2章 あるがままの神秘
第3章 創造的革命
第4章 日常における自己認識
第5章 固定された自己という幻想
第6章 信念と知識からの自由
第7章 努力とは「あるがまま」からの逃避である
第8章 矛盾なく生きる
第9章 既知なるものと未知なるもの
第10章 恐れからの自由
第11章 生命に触れる
第12章 関係性の中で自己を見る
第13章 快と苦を越えて
第14章 生命とは関係である
第15章 二元性の終わり
第16章 思考がもはや分断しなくなる時
第17章 等しきまなざし
第18章 全的人間
第19章 自我の終焉
第20章 愛の空間
第21章 「空」から生まれる創造
あとがき
著者について
那智タケシ
作家。MUGA表現研究会代表。
早稲田大学第二文学部西洋文化専修卒。
宗教的哲人・クリシュナムルティの著作に20代で出会い、7年間の動的瞑想を実践。「私」から「世界」への認識の転換を体験。その後、身心脱落体験をする。
著作に『悟り系で行こう:「私」が終わる時、「世界」が現れる』(明窓出版)、『二十一世紀の諸法無我:断片と統合――新しき超人たちへの福音』(ナチュラルスピリット)、『クリシュナムルティ解読:自我を見つめれば、自由になれる』(KDP)『動的瞑想と自己浄化の原理:自我を超えて、痛みと苦しみから自由になる方法』(KDP)等がある。
まえがき――本書が生まれるまで
私はなぜ、ここにいるのだろう?
この世界とは、何なのだろう?
どうして、この世界で苦しむ必要があるのだろうか?
こうした、「自らが存在していること」それ自体に対する不安や懐疑は、この大きな意味を失いつつある世界の中、傷つきやすく、繊細な自我をもった人ほど抱きがちです。
彼は、人間的な愛情や、社会での成功を求めるよりも先に、まずは自らの存在それ自体の意味や、正当性を求めて、絶対的な価値や、真理なるものを求めざるを得なくなります。
それを知ることなしには、どんなに人からの愛情に恵まれても、社会的な成功者になったとしても、決して自分は幸福になれないことを自覚しているからです。
こうして、彼は俗世から独り離れ、求道の道を歩き始めます。
思春期の私も、漏れなくその一人でした。そして二十代の半ば頃、古今東西の哲学書や文学書を読みあさる中で、「クリシュナムルティ」という不思議な響きを持つ思想家の本に出会ったのでした。
〝二十世紀最高の覚者〟とも言われるジッドゥ・クリシュナムルティの教えの中核にあるのは、「あるがままの自我の働きを見る」という瞑想です。
いかなる伝統的な宗教、権威ある教え、思想、特定のメソッドによることなく、人は自分自身の「あるがままの姿」を直視して、自己認識することで、条件づけられた自我の中核を超えることができる、としました。
彼の多くの著作の中でも、とりわけ私が決定的に影響を受けた一冊があります。それが『The First and Last Freedom』の翻訳、『自我の終焉』(篠崎書林)です(現在は絶版。『最初で最後の自由』(ナチュラルスピリット)が新訳として出ています)。
この本は、人間の精神に関するあらゆる問題を扱い、それに対して根本的な原因まで掘り下げて一つひとつ出口を指し示してくれています。
自我、観念、不安、恐怖、欲望、時間、創造……
その透徹した言葉は、今も真摯に求道する人々の問いに、正面から答えてくれます。
『自我の終焉』を自身の「認識の転換体験」に照らし合わせつつ、自分の言葉で解読してゆく――このメルマガで始めた大胆な試みを一冊の本にまとめたものが、『クリシュナムルティ解読』(KDP)です。
本書は、原典からの引用が非常に多かったこの前著をベースに、解読部分のみを抽出し、「覚醒」というキーワードを軸に大幅に加筆・編集して、私の中で肉化した言葉だけで再創造した作品です。
「人間関係の中であるがままの自我の姿を見つめ、他者に向かって真実を表現することで自我の核を解体し、認識の転換が生じる」
この体験をもとに、葛藤に満ちた現代社会を生きる読者にとって、より身近に、より合理的なものとしてクリシュナムルティの教えが届く形で、シンプルにまとめたつもりです。
『日常の中で覚醒する』というタイトルに相応する内容になっていれば、読者の認識を広げ、この「自我の働きを見つめる瞑想」を実践する一つの手がかりになるかもしれません。
自分自身の自我の働きを直接見て、その自己中心性を自己認識することで、人はその中核を解体し、そこから自由になることができます。
そして条件づけられた定型のエゴから解放されることで、自分の言葉や、独自の表現方法を持つ、創造的な人間になることもできるのです。
ネットやSNSに浅薄で、偏向した情報が渦巻く中、人の心が特定の色に染まり、頑なになって、不安と分断が深まる現代において、本書が一切の条件づけを超えて、他者や、世界と新しい関係を築くための扉になることを願っています。
