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韓国の神「トッケビ」
トッケビは一般的にはいたずら好きの妖怪として描かれたり。はたまた、死者の霊に結び付けられ恐れられたり「赤い顔、角、鋭い歯を持つこと」が知られています。
ここまでで、分かった人もいると思います。
日本での製鉄の神や、製鉄民の事を語る形容「も」古代朝鮮からの輸入だった事がわかります。
彼らは鍛冶屋や製鉄の神として崇められ、古代から現代に至るまで韓国の文化や信仰に大きな影響を与えてきました。
製鉄は古代韓国社会において非常に重要な技術です。
鉄を精錬し武器や道具を作ることは農業や戦争に不可欠であり、その技術を持つ鍛冶屋は尊敬される存在でした。
特に製鉄や鍛冶に関連するトッケビは、その独特な外見と役割で人々に親しまれています。
トッケビの中でも一つ目や一本足のトッケビは特に興味深い存在です。
日本の妖怪に似ていますね。
妖怪の中には、多くの差別されていた人たちを題材にしたものもあります。
日本の妖怪は、いたずらをすると言われますが物語の中で「いたずら」をして人間に切り殺される事も多い。
可愛く、ユーモラスに描かれている妖怪が少しのいたずらの代償が命では、あまりにも酷と感じますが。
それを差別されている人間だと知ったうえで溶解話を聞くと、その事が当たり前だった当時の人達からすれば納得のいく話なんです。
夜しか出歩けないのは梅毒などの病気持ちで体中に湿疹のある人間。
そして山も水辺も、当時は「異界」「あの世」と同じ意味を持っていて、平地を奪われた製鉄民や、それこそ前記事で書いた隼人や蝦夷から労働力として連れてこられた奴隷たちが住む場所でした。
韓国のトッケビもいたずらの伝承と共に恐れる伝説も同時にあるのは、そんな理由かもしれないです。
目は鋭く、何でも見通す力があるとされて。一つ目のトッケビは通常、背が高く威圧的な姿をしており、逞しい体格を持っています。
彼らは鍛冶屋の作業を助け、金属の精錬や加工を監督する。
彼らの一つ目は、製鉄の過程を見守り、問題が発生した場合には即座に対処する力を持っています。
また、火や金属の装飾品を身につけていることが多く、例えば鉄製の兜や鎧。炎のようなデザインのアクセサリーを持っています。
一つ目のトッケビの一例として「イルモグドッケビ」があります。
イルモグドッケビは鍛冶屋の守護神として広く知られており、彼の鋭い一つ目は製鉄の過程を厳しく見守ります。
どんな小さな問題も見逃さず、鍛冶屋の成功を支えます。
イルモグドッケビは火と金属の装飾を身につけ、その存在感は鍛冶屋たちに畏敬の念を抱かせます。
韓国においても日本と同様に製鉄の際に燃え盛る炉を見続けて片目が焼け潰れた人間を表しているとの説もあります。
製鉄の過酷な労働環境が生んだ、この象徴的な姿は、製鉄に従事する人々の過酷さを物語っています。
一方、一本足のトッケビもまた独特な存在。
一本足のトッケビは、その名の通り一本足で立っている姿が特徴です。
彼らはバランスを取るために独特の歩き方をし、驚異的なジャンプ力を持っています。
鍛冶場や製鉄の場で素早く移動することができ、鍛冶屋の作業を見守り、必要なときには助けてくれる。
一本足のトッケビは大きなハンマーや鉄の棒、火のついた鍛冶場の道具を手にしていることが多く、火花と金属の装飾品を身につけています。
一本足のトッケビの一例として「ハンパルドッケビ」があります。
一本足のトッケビの外見は、映画『もののけ姫』で見るような、たたら製鉄で炉に風を吹き込む大きなふいごを動かす事に従事していて片足をなくしてしまった(萎えてしまった)人間を表しているとも言われています。
これもまた、製鉄の危険な労働環境とその中で働く人々の過酷さを象徴するものです。
これらのトッケビは、言ったように鍛冶屋や製鉄の神としての性格を持ち、韓国の民間信仰や文化に深く根ざしています。
彼らは製鉄を象徴し、鍛冶屋たちにとって重要な存在です。
製鉄や鍛冶の技術が発展する中でトッケビたちはその守護者としての役割を果たし続け、人々の信仰の対象となってきました。
製鉄における火と金属の扱いは、神秘的で魔法のようなものと見なされることが多く、トッケビが人ならざるものとして描かれるのは自然なことでした。
これによりトッケビは製鉄の象徴としても重要な存在となり、その影響は現代の韓国文化にも残っています。