―異端者の生まれ変わり―手紙(前編)
あれから、数日が経った。
その頃には、あのユウが来た当初の様な汚らしい屋敷ではなく、貴族が住んでいるだろうとでも言うような、立派な創りをした屋敷へと生まれ変わっていた。
こうしたのは、ユウでもキィウラスでもなく、ユウに仕える忠実な部下達がやったのであった。
マスターがこのような場所で生活するのは見るに耐えかねるとでも言うかのごとく、部下でユウの側近として居る2名のヴァンパイアがものの1時間でもう、寿命も超える寸前の屋敷をこうまで変えてしまったと言う事だ。
ユウは、とある一室で禁術から黒魔法まである本を辺りに置いて、書物に読み更けていた。
直ぐ近くには、ユウが読み終わった本を丁重に扱いながらあった場所に戻して行く姿が見られていた。
静かな部屋で、パラッ…と言う、紙を捲る音が聞こえる他は、何一つ音もせずにあった。
「ユウ…。お前、主様と一緒で書物が好きなようだな」
「サラザールも、読書好きなのか?まぁ、構わんが…」
「ああ、好きだった。そう言えば、ユウはそれまでの本を暗記出来るのか?」
「ふぅん…。出来なきゃ、可笑しいだろ」
キィウラスは昔を懐かしむように遠くを見つめていた。
ユウは、黙々と本に書かれた文字を理解して覚えて居るのだろう。
暫く、そんな二人で居たが唐突に、ドシャッ!と言う音と共に、ズルズルと言う音を直接的聞いてしまった。
ユウは、動きはしなかったが、キィウラスが窓の外を見やれば、少し気絶寸前な状態な梟が居たのだった。
「…気絶寸前…ノックアウト状態だな」
「可哀想だな…行って来るか」
手を合わせて居るキィウラス横目に、窓の足場が乗せられる場所にトンッと足を付いてから、ヒラリッと3階の一室から地面に向って飛び降りるユウをキィウラスは、羽があるみたいだな…と、ぼそりっと呟いた頃には、ユウは既に地面へと着地していた。
ユウは、動物と話せる為、普通の言葉で話していても相手には伝わる特殊能力を持っている。
ゆっくり、気絶しかけて目回しているホクロウへと目をやりそっと頭を優しげになでれば、少しは元気が出たのだろうか、相変わらず弱弱しい鳴き声だが先程よりは少し増しになったぐらいだろう。
「おい…しつかりしな。大丈夫か?」
≪…長、お届けモノ届けに来たよ≫
「僕に?…まぁ、お疲れ様だね、運んで来てくれて有難う」
≪長にです。…此方こそ、有難う御座いました、長に会えたこと光栄に思います≫
「光栄…ね、ご苦労、向こうに水を用意させたから飲んで行きな」
そう言うと、嬉しそうにユウの頬に擦り寄り一声鳴いた後、翼羽ばたかせて、言われたとおりの方向へと飛び去った。
それを見届けてから、ユウは、届け物を見る事にした。
少し、黄色味が掛かった封筒を見れば、何処かで見た覚えが…と、思考するが結局なんだったのか思い出せずだった為に、封筒の裏を見て見る事にした。
樹海の奥、屋敷の階3階の部屋、ユウ・無道様
エメラルド色で丁寧な字で宛名が書かれていた。
その封筒を開けてみれば中には手紙がある。
その手紙を読むか読まないかと思考していれば、キィウラスが見たそうにしていた為、取り敢えず見てみる事にする。
すると、内容はこう書かれていた。
ホグワーツ魔法魔術学校
校長 アルバス・ダンブルドア
マーリン勲章、勲一等、大魔法使い、魔法戦士隊長、
最上級独立魔法使い、国際魔法使い連盟会長
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親愛なる無道殿
このたびホグワーツ魔法魔術学校にめでたく 入入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。
教科書並びに必要な教材のリストを同封いたします。
新学期は九月1日に始まります。七月三十一日必着で
梟を便にてのお返事をお待ちしております。
敬具
副校長ミネルバ・マクゴナガル
それに、対して、ユウは全く気を悪くした様子でもなくただ振り向いた。
「返事は返さなくて良いのか?」
その問い掛けに対して、面白そうに口元に手をやりつつ、微笑む。
「そうだねぇ。僕は、行く気もないし返さなくても良いだろう」
「それが、そうもいかんのじゃよ」
後編に続きます。