Elvin Jones　ジャズ・ドラマー

エルビン・レイ・ジョーンズ（Elvin Ray Jones、1927年9月9日 - 2004年5月18日）は、ポスト・バップ時代のアメリカのジャズ・ドラマーです。最も有名なのは、ジョンコルトレーンのカルテットのメンバーであり、1960 年末から 1965 年末まで一緒にレコーディングを行ったジョーンズは、『マイフェイバリットシングス』、『アラブシュプリーム』、『アセンション』、『ライブアットバードランド』などのアルバムに参加しました。

1966 年以降、ジョーンズは自身のトリオを率い、その後エルビンジョーンズジャズマシーンという名前でさらに大きなグループを率いました。彼の兄弟のハンクとサドも著名なジャズミュージシャンであり、時々一緒にレコーディングを行っていました。エルヴィンは 1995 年にモダン・ドラマーの殿堂入りを果たしました。ジャズ歴史家で評論家のテッド・ジョイアは、著書『ジャズの歴史』の中で、ジョーンズを「ジャズの歴史の中で最も影響力のあるドラマーの一人」と呼んでいます。彼はローリングストーン誌の「史上最も偉大なドラマー100人」でも23位にランクされました。

エルビン・ジョーンズはミシガン州ポンティアックで、ミシシッピ州ビックスバーグからミシガン州に移住してきた両親ヘンリー・ジョーンズとオリビア・ジョーンズの間に生まれました。彼の兄はピアニストのハンク・ジョーンズとトランペッターのサド・ジョーンズであり、どちらも高く評価されている音楽家です。2歳になるまでに彼はドラムに特別な魅力を感じたと語りました。彼は子供の頃、サーカスのパレードが自宅の前を通過するのを見て、特にマーチングバンドのドラマーに興奮していました。この初期の情熱に従って、エルビンは高校の黒人マーチングバンドに参加し、そこで初歩的な基礎を築きました。ジョーンズは1946 年から 1949 年までアメリカ陸軍に勤務しました。ジョーンズは、集めた給料 (および妹から借りた追加の 35 ドル) で最初のドラムセットを購入しました。

1949–1960

ジョーンズは 1949 年にデトロイトのグランドリバーストリートにあるクラブでの短期間のギグでプロとしてのキャリアをスタートしました。最終的に、彼はビリー・ミッチェルやウォーデル・グレイなどのアーティストと共演するようになりました。1955年、ベニー・グッドマン・バンドのオーディションに失敗した後、ニューヨークで仕事を見つけ、マイルス・デイヴィスとチャールズ・ミンガスのアルバム『ブルー・ムード』にミンガスの共同所有のデビュー・レーベルから参加しました。1950年代後半、ジョーンズはソニー・ローリンズ・トリオのメンバーであり、アルバム『ア・ナイト・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』の大部分を録音したが、このアルバムはローリンズにとっても、そして1950年代のジャズ全般にとっても最高点として挙げられています。

1960–1966: ジョン・コルトレーンとの関係

1960 年にジョンコルトレーンと共演し始めました。1962年までに、彼はベーシストのジミー・ギャリソン、ピアニストのマッコイ・タイナーとともに古典的なジョン・コルトレーン・カルテットの不可欠なメンバーとなりました。ジョーンズとコルトレーンはしばしば長いデュエットパッセージを演奏しました。このバンドは、ルイ・アームストロング、チャーリー・パーカーなどがジャズ発展の初期段階で行ったのとほぼ同じ方法で、「スウィング」（ジャズのリズム感）を再定義したと広く考えられています。ジョーンズはコルトレーンと演奏していた時期について次のように語った。「毎晩、バンドスタンドに立つと、たとえ500マイルか1000マイル来たかに関係なく、疲れが一気に抜け落ちた。それは人間にとって最も美しいことの一つだった」人間関係に完璧な調和のようなものがあるとしたら、あのバンドは限りなく近いものでした。」ジョーンズは1966年初頭までコルトレーンに在籍しました。その時までに、ジョーンズはコルトレーンの新しい方向性に完全に満足していませんでした。特に彼のポリリズミカルなスタイルがグループの2番目のドラマーであるラシード・アリの「多方向性」アプローチと衝突したからです。

コルトレーン後のキャリア

ジョーンズはコルトレーン・グループを脱退した後も活動を続け、1960年代後半から1970年代にかけて影響力のあるグループとみなされているいくつかのバンドを率いました。その中で注目に値するのは、サックス奏者でマルチ楽器奏者のジョー・ファレルと、（元コルトレーンの）ベーシストのジミー・ギャリソンと結成したトリオで、ブルーノートのアルバム『プッティン・イット・トゥゲザー』と『ジ・アルティメット』を一緒にレコーディングしました。ジョーンズは、1960 年代後半から 1970 年代初頭にかけて、著名なミュージシャンや新進気鋭のミュージシャンをフィーチャーしたグループとともに、自分の名前でブルーノートに広範囲にレコーディングを行いました。2 巻構成の『Live at the Lighthouse』では、それぞれ21 歳のSteve Grossmanと26 歳のDave Liebmanが登場します。ジョーンズはまた、マッコイ・タイナーとの『ザ・リアル・マッコイ』やウェイン・ショーターとの『スピーク・ノー・イービル』など、「モーダル・ジャズ時代」の多くのアルバムでも演奏しました。

1980 年代初頭から、ジョーンズは自身のグループであるエルビンジョーンズジャズマシーンで演奏およびレコーディングを行いましたが、そのラインナップは年々変化していきました。ソニー・フォーチュンとジョン・コルトレーンの息子であるラヴィ・コルトレーンは、1990年代初頭にジャズ・マシーンでサックスを演奏し、1991年にはエンジャ・レコードの『イン・ヨーロッパ』にジョーンズとともに出演しました。バンド・リーダーとしての彼の最後の録音『ザ・トゥルース：ハード』 1999年に録音され2004年に発行された『ライヴ・アット・ザ・ブルーノート』には、アントワン・ロニー（サックス）、ロビン・ユーバンクス（トロンボーン奏者）、ダレン・バレット（トランペット）、カルロス・マッキニー（ピアノ）、ジーン・パーラといった彼のジャズ・マシーンの拡大バージョンがフィーチャーされていました、そしてゲストのサックス奏者マイケル・ブレッカー。

1990年と1992年、エルビン・ジョーンズ・ジャズ・マシーンはウィントン・マルサリスと提携し、ニューヨークのザ・ボトム・ラインでパフォーマンスを行いました。彼の最後のレコーディングの中には、兄でピアニストのハンク・ジョーンズとベーシストのリチャード・デイヴィスとともに、ザ・グレート・ジャズ・トリオという名前で『オータム・リーブス』というタイトルのアルバムに参加したことがありました。この時期にジョーンズの音楽に多大な貢献をした他のミュージシャンには、バリトンサックス奏者のペッパー・アダムス、テナーサックス奏者のジョージ・コールマンとフランク・フォスター、トランペッターのリー・モーガン、ベーシストのジーン・パーラ、キーボード奏者のヤン・ハマー、そしてジャズ・ワールド・ミュージック・グループのオレゴンがいました。

1969年、ジョーンズはビート詩人アレン・ギンズバーグの1970年のLP『ソングス・オブ・イノセンス・アンド・エクスペリエンス』（ウィリアム・ブレイクの同名の詩集の音楽化作品）でドラムを演奏しました。彼は1971年のミュージカル西部劇 『ザカリア』に悪役ジョブ・カイン役で出演し、酒場での銃撃戦に勝利した後にドラムソロを披露しました。定期的に教えていたジョーンズは、しばしば診療所に参加したり、学校で演奏したり、刑務所で無料のコンサートを行ったりしていました。彼のレッスンではドラムのテクニックだけでなく音楽の歴史も重視されました。2001 年、ジョーンズはバークリー音楽大学から名誉音楽博士号を授与されました。

死

エルビン・ジョーンズは2004年5月18日にニュージャージー州イングルウッドで心不全のため亡くなりました。彼には最初の妻シャーリー、子供たち：エルビン・ネイサン・ジョーンズ、ローズ・マリー・ジョーンズ、アルビン・クイーン、そして内縁の子供たちが残されました。後妻の恵子もいます。

影響

ジョーンズのタイミング感覚、ポリリズム、ダイナミクス、音色、レガートフレージングは、ドラムセットを前面に押し出すのに役立ちました。1970年にライフ・マガジンに掲載されたプロフィールの中で、アルバート・ゴールドマンはジョーンズを「世界で最も偉大なリズム・ドラマー」と称し、彼の自由なスタイルはクリスチャン・ヴァンダー(マグマ) やミッチ・ミッチェルを含む多くの一流ドラマーに大きな影響を与えました（ジミ・ヘンドリックスは「私のエルビン・ジョーンズ」と呼びました）。