先日、スーパーに行ったところ、レジにて泣き叫ぶ子供が一人。


「買って買って買ってーー!!買ってーーー!!!」


4~5歳くらいでしょうか、なにやら小さなお菓子を持って絶叫していました。


そばに居た母親は20代後半~30代前半くらいでしょうか、妹と思われる女の子を抱いたまま商品を袋詰めしており、泣き叫ぶ子供を黙殺しておりました。


ときどき冷たく


「返してきなさい」


と子供の要求を真っ向拒否します。


「いいじゃん、買ってよーーー!!」


と泣き叫ぶ子供のテンションは、母親の作業が退店に近づくのを察しているのでしょう、徐々にヒートアップしていきますが、涙は流れていません。


子供には経済力がありませんから、そのお菓子を手に入れるには母親と交渉して買ってもらうしかありません。


しかし、その交渉方法は泣き叫ぶのみのようで、いささか力不足に感じます。

  

 


さあ、お母さんはいよいよ袋詰めを終え、カゴを戻し、その足は出口へ向かいますが、少年はまだ諦められません。


「ういおじゃいうふぇいcbれxぼ3いy」


もはや、日本語になっていませんでしたが必死に泣き叫びます。やっぱり涙は見えませんが。


このままでは子供が買ってはもらえぬお菓子を持ったまま外に出てしまいます。


万引きする気などはもちろん無いでしょうが、精算していない商品を店外に持ち出すのはちょっと問題があります。


お母さんは完全には外に出ず、自動ドアの外に立って「返してきなさい」と少し強いトーンで子供に言い放ちます。


しかし、怒鳴りあげたり叩いたりすることはありませんでした。


「f時ウェうv49卯jvふぇfvねwぽう」


子供はもう店内に響き渡るような呪文を唱えています。


はっきり言ってウルサイ。めちゃめちゃウルサイ。


子供は明らかに、母親の世間体に訴える作戦を遂行しています。


まあ、そこまで計算できてないでしょうけど。





コレを見て自分は思いましたね。


おかん頑張れと。


幼児虐待とか愛の無い親の話がニュースで頻繁に流される中、車内放置撲滅も含めて子供は守られるべき存在です。


でも、自分は子供を甘やかせるのもイカンと思ってます。


モンスターピアレンツなど言われてますが、子供をペット扱いしてる親も多いんじゃないでしょうか。


望むままに買い与えるのは、決して子供の成長に良いことではないと思います。


自分の子供の頃は、ずいぶん叩かれ殴られました。


でも、両親の事を気にかけられる大人には育ったつもりです。


周囲には「うるさいから買ってやれよ」と思う人もいたかもしれません。


しかし自分には、世間体を気にせず子供と真っ向向き合うこの母の姿は美しくも見えました。


「少年よ、今そのお菓子を買ってもらえないことが、将来お前の向上心となるのだ。買ってもらえぬ事が辛いなら、大人買いする喜び取っておけ。」


などと、素麺と麺つゆを袋に詰めながら、森山直太郎のようなことを考えておりました。




しかしこれでは戦いはいつまでたっても平行線です。


それまではごく冷静に、強い意志を示すかのように「返してきなさい」としか言わなかった母親が、業を煮やしたのか必殺の呪文を唱えました。


「買わないって言ってるでしょ!返してこないと置いて帰るよ!」


さらに、子供に背を向けて駐車場へと向かいました。


さすがに少年、買ってもらえぬ辛さより、置いて帰られる辛さが勝ったのでしょう。


近くの棚にお菓子を投げ捨て、泣き叫びつつ母親の後を追いかけて行きました。


戦いは母親の捨て身の作戦が功を奏し、母親の勝利で幕を閉じました。





スーパーに行くと、時々入口近くの青果の棚に小さなお菓子がポツンと置いてあるのを見ることがあります。


自分はそれを見ると、


「ああ、少し前にここで一戦あったんだな」


と思わずにはいられないのでした。