イッパツマン
1982年放送。タイムボカンシリーズの第6作目。


タイムボカンといえばヒーローと悪玉トリオ。キャラクターの属性と声優を維持しながらシリーズを重ねることで、世界観が共有されるという変わったタ イプのアニメ。「ボヤッキー」に代表される科学者タイプのキャラは「全国の女子高生ファンの諸君」で有名ですが、ちなみにリーダーの女性のキャラの声はの び太、怪力担当のキャラの声はジャイアンの声優さんです。こちらではジャイアンがのび太に完全に使われています。


ラインナップは


1 タイムボカン
2 ヤッターマン
3 ゼンダマン
4 オタスケマン
5 ヤットデタマン
6 イッパツマン
7 イタダキマン


となっております。「ヤッターマン」や「ヤットデタマン」なんかも面白いけど、この中で一番僕が好きだったのが「逆転イッパツマン」


物語は「タイムリース社」という、歴史を超えてものをリースする会社とそのライバル会社「シャレコーベリース社」との企業戦争・・みたいな感じで結局悪玉トリオとヒーローが戦う話。


全体的な登場人物の名前などは野球にちなんでいて、主人公の「豪速球」、「放夢ラン」、「2-3(ツースリー)」やメカも「逆転王」、「三冠王」、「リリーフドン」など、当時野球にまったく興味のなかった僕には全然意味のわからない名前がそろっていました。


タイムボカンシリーズは悪役キャラの特性もあって全体的に「ゆるい」雰囲気なのですが、シリーズも6作目にもなると、今までのシリーズからは思いもよらないシリアスな展開が待ち受けていました。


タイムボカンシリーズを通して最終回には驚く結末が待っています。「タイムボカン」では、すばらしい価値のあると言われていた「ダイナモンド」はただの石ころ、 「ヤッターマン」で探していた「ドクロストーン」は命令者の「ドクロベエ」のからだの一部、「オタスケマン」では悪の親玉「トンマノマント」が途中から参 加した、チョイ役としか思われていなかった(少なくとも僕はそう思っていた)二枚目キャラクター「ゲキガスキー」であった・・・など、ゆるい雰囲気で楽し んでいた視聴者はひっくりかえるような展開が待っていました。


「イッパツマン」でもイッパツマンが中盤で破壊され、豪さんがイッパツマンだと思われていたら実はロボットだったとか、最終回では悪玉トリオや主人公以外のキャラクターによるシリアスな展開があります。そういえば悪役メカを作っていた「今井市郎」なんてのもいたっけ。


本当に各キャラクターの設定がしっかりとしていて、また、シャレコーベ社員による屋台でサラリーマンの悲哀を語るミニコーナー「人間やめてどうするの?」など、大人が見てもニヤリとさせられるものが随所に入れてあり、今見直しても絶対面白いと思います。


毎回現われる意味なしメカ(豚もおだてりゃ木に登る・おろカブなど)や爆発しても死なない悪玉トリオ、そしてドクロの煙。。。ドリフにも通じるこの「ワンパターン」があり、時には「どうせいつものパターンでしょ」みたいな「はずし」もあり、そこがまた普通のアニメでは考えられない面白さがあります。

シリーズの中には地方局で再放送がされているものもある模様。イッパツマンが見たい。。。


タイムボカンシリーズについて面白いページがありました。

http://www.3aku.com/