4節:デンマークへ


指定席の料金が含まれていたか知らないけど、私は今回座席に座ってみようと考えていた。もし、何か言われたら謝って車両をつなぐ連絡通路に戻ろう!と思い、ドキドキしながら空席を探しました。各連絡通路に荷物置き場があり、そこにスーツケースを置き、万が一盗まれてはいけないと思い、自分の荷物が見える空席を探した。

スーツケースを見ては空席を探し、その繰り返しを何度もしているうちにやっと空席がひとつ見つかりました。席はテーブルを挟んで対面席になっていて、私はサッと座り込み一息ついて前を見ると、テーブルの向こう側には髪の毛が赤色、そして鼻と下唇にピアスの男性と髪の毛が緑色で、同じくピアスがいっぱいの女性のカップルが座っていた.。。。。。。。あちらも、鶏のように首を振りながらスーツケースと席を交互に見ていた日本人が同じ席に座ったと思った風な表情をしていました。

何かお互い気まずい空気に包まれつつ、電車はデンマークに向かっていきました。

ガタンゴトン、ガタンゴトン、電車の走る音だけが耳に残るほどの沈黙が続き、ふと、私は下車する駅の名前がデンマーク語で、いまいちわかりづらいことを思い出した.。。。。。。どうしよう。。。。。このカップルに聞いてみようか…。。。

私は恐る恐る、駅の名前を記したメモをカップルに見せようとした瞬間、カップルはその私の仕草にビクッとしました。私はその緊張感をかいくぐり、カップルになんていう名前なのか聞いてみました。


男性がまず発音してくれました:*+*L#“|¥$%???

私が繰り返してみると:#$&++*?#“???


なんかお互いなんて言っているかわからなくてみんなで笑ってしまいました。すると、女性のほうが、、、そこに着いたら教えてあげる!と外見とは比較できないほどの明るさで答えてくれました。

あまりに奇抜な外見に目を取られていたが、よく見ると十代のかわいらしい顔を二人ともしていました。

駅員が通るたびにつまみ出されると思いビクッとしたが、私は少し酔っ払っていたせいもあり、さらに彼女が駅に着いたら教えてくれるとのことだったので、安心してつい眠ってしまいました…..zzzzzZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ

ねぇ!起きて!着いたよ!と彼女の声がした。あっ!荷物は!俺の荷物は大丈夫か!?と荷物置き場に目をやるとしっかりそこにあり、私はカップルにお礼を言い電車を降りました。

おーっ!!とうとうデンマークの地に着いた!!と興奮気味でしたが外はすっかり夜で、目的地に向かう電車は明日の朝までないと言う.。。。。

ホームの係員に一晩中、ベンチに座っていていいか聞いてみると、好きにしていいとのことで、宿泊場所がベンチに決まりました。

むむ!?気がつくと自分がくさい!!ちょっと頭がかゆい.。。。。そりゃもう3日近くシャワー浴びてない。。。。。。明日には養成学校まで着くはずだから我慢しよう…。。。と思いベンチのうえで眠ろうとしました、、、、が寝付くころにはベンチから落ちそうになり、結局、ベンチの下のコンクリートの上で眠ることにしました。あっ!!そういえばスーツケースの中に寝袋がある!!私は寝袋を取り出し、寝入ったときにも直ぐに気づくようにスーツケース、リュックサック、脱いだ靴、すべての荷物を頭元に置き、寝袋に入り込みました。日本から弟に送ってもらったMDウォークマンでラルクを聞きながら私は眠りにつきましたzzzzzzzzzZZZZZZZZZZZZZZ.。。。。。。。。。。。。

ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ、、、、、ラルクの歌もすでに終わっていてなにかブツブツ近くで聞こえる。。。。。。?と思い、目を開けると私の頭付近に男の人が立っていて何かブツブツ言ってるじゃありませんか!!ホームなので一晩中明かりがともっていて、その光が眩しくてその男の顔が見えませんでしたが、私は寝袋の中にすっぽり入っていて芋虫状態!周りにも人影なし!!やばい!やられる!と思いました。その男は私に何か怒っているみたいでしたが、ブツブツ言ってどこかに行ってしまいました。

それが夜中の3時ごろ.。。。。。。すっかり目が覚めた私はベンチに座りなおし、その男の行った方向に目をやるとその男がこちらに戻ってきました。

どうも浮浪者らしく、私の居るベンチが居場所らしい。そんな私も髪の毛はぼさぼさロン毛でしかもくさい。その男は縄張り荒らしが来たと思って警戒していたのだろう。ホームを見渡すとほかにもベンチがあったので私は移動することにしました。

そして待つこと2時間、始発の電車が私の前に止まりました。あ~長かった旅もこれで終着点に着く!!と期待を胸に電車に乗り込みました。ガラ-ンと車内はしていて、私は無人のシートに深く腰掛けました。そして向かいのシートには緑の毛の女の子と赤の毛の女の子が…。。。。偶然なのか流行なのか.。。。。とにかく私の降りる駅にどのくらいで着くか聞いてみました。あと、20分くらいらしい。ついでにそういった色の髪の毛は流行なのか聞いてみると、彼女たちは、、、、その色にしたかったから、、、、とはにかみ笑いしながら私に言いました。私はうんうんうなずきながら彼女らに向かって親指を上げてイイネッ!のサインをしました。