「この世界の片隅に」 | MUCHO dos 代官山物語

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「この世界の片隅に」 

 

片渕須直 監督・脚本

 

原作者のこうの史代さんは、広島出身。

登場人物の広島弁「そうじゃけん」が懐かしい。

 

主人公のすずは、広島の南、江波で生まれ育ち、海岸や野原でスケッチを楽しみました。昭和19年(1944年)223日に呉市の北條家にお嫁入り。

呉市は海軍の基地で、東洋一の軍港には戦艦大和などの超大型船から小型船まで、沢山の船が出入りしていました。

すずが、戦艦の写生をしていたら、憲兵にスパイ容疑でどやされました。

夫の北條周作は、海軍軍法会議の書記官、義父も海軍の工場の技師です。

戦争中、普通の生活を続けたくても、食糧難になり、すずは、闇市に買い物に出かけます。帰り道、道に迷い、遊郭で働くリンと知り合います。

 

映画では、原爆ドーム(広島県産業奨励館)福屋百貨店など広島のシンボル的建築も背景に使用されています。多くの建造物は、空爆と原爆で失われました。

すずは、けなげに少ない配給米を膨らませたり、野草をおかずに工夫したり、お料理の場面はとてもコミカル。楽しい音楽にのって。

干し柿、鯛の塩焼き、すいかの絵。広島の懐かしい食生活は続きます。でも、大量生産ではない物は、高額になりました。

昭和20年(1945年)すずは、爆弾で仲良しの姪、晴美を失い、自分の右手も失います。815日ラジオから終戦と知り、みんな戦争が終わったと大喜び。その時、すずの怒りは爆発。勝つ為におとなしく、真面目に我慢をして犠牲になった国民の気持ちは傷付いたままです。

 

この映画は、第二次世界大戦の現実を暴力的に描かずに、のんびり優しいすずさんの明るく楽しい生活が、戦争に巻き込まれていく現実を描き、戦後生まれの私達にも、今の世界を考え直すよう、柔らかな映像と音楽で訴えています。

 

今度、広島へ行ったら、呉市にある大和ミュージアムを訪れ、呉の海岸から広島を眺めてみたいと思います。