夏になる頃には体重は38キロにまで減っていた。

ガリガリだ。

Sサイズのスキニーパンツもブカブカだった。それが安心だった。大丈夫、太ってない!って…。



しかし、勉強はおろそかになり、
いつもお腹ペコペコで頭の中は食べ物のことでいっぱい!!

…なのに、怖くて食べられない。




この頃になると、蒟蒻だけの生活に耐えられず
時々衝動的に菓子パンを買いに走り、2〜3個ペロリと食べてしまうことがあった。



普段食べていない痩せた体にはダメージが大きく、胸やお腹がキューッと痛んで立ち上がれなかった。



さらに「禁止している物を食べてしまった」という大きな罪悪感に苛まれ、

「運動しなきゃ!!」…とふらふらしながら、すぐにウォーキングに出掛けていた。




そして「意思が弱かった!」と自分を責め、以前より厳しいダイエットを繰り返した。



ここまで頑張ったんだから、もうあの頃のようには戻りたくない!高校生の頃の辛い生活を思い出しながら…。





夏休みになり、実家に戻った。
実家に戻れば、なんとなく楽になる気がしていた。


父親が駅まで迎えに来てくれたのだけど、
私の姿を見るなり驚いて、帰宅するとすぐに病院へ連れて行ってくれた。



その時初めて「摂食障害」という病気だと知った。(当時の病名は別のものだったように思います…)




父は心配して事情を聞いてくれたが、私自身もよくわからなかった。


「自分がそういう病気になるなんて!」と混乱していた。

…とともに「やっぱり病気だったんだ」…と、どこかホッとしている自分も居た。




医師の話では、母親との関係が希薄だと発症するケースが多いということだった。




確かに母親とはあまり関わりがなかった。
…というか、ただただ「怖い存在」だった。