皆さんにとって身近な存在ですか?

それとも、軽蔑する存在?

 

「尻軽な女性がやる仕事」

「そんなに金が欲しいの?」

「若いうちしかできないよ!」

 

・・・

どこまで、彼女らを肯定できるでしょうか?

 

 

この本は色っぽい話ではありません。

 

売春に貧困あり!
 

日本経済の中で犠牲となった彼女たちが

見ている世の中とは??

 

 

※40-50代の男性へ

お気を悪くするかもしれません。著者は

あなた方を徹底的にディスります・・・。

 

~流れ~

タイトルは食いつきの良い、性的な

印象がありますね。

 

しかし!

 

著者は日本の経済、政治、社会の現状を

風俗というフィルターを通して僕らに

訴え、啓発します。

 

社会、政治・経済、裸の女性はトライアングル

彼女たちが社会の現状を投影している

 

そういうことみたいです。

 

本書の流れを以下のように

まとめてみました

 

1.何で裸になる女性が増えた?

1-1.家庭問題

1-2.政策

 

2.彼女らの将来は・・・

 

3.分かり合えない男女

3-1.彼女らの中年男性像

3-2.著者の抱く中年男性像

 

4.どうしたらいいの?

 

~流れの深掘り・無知医の心中

 

1.何で裸になる女性が増えた?

 

大学生の貧困は親世帯の賃金低下や、学費高騰だけでは説明できないようだ。

親との関係と密接につながっている。

 

1-1.家庭問題

 

子の教育に興味がない、あるいは

負担したくない思いが先行している。

「うちにはお金がない」

お母さんはいちいち、教科書代何円かかった?って

俺は中卒だけど、ちゃんと生きている。大学なんて必要ない、みたいなことを言い出した。

 

きっと親も自分が大事な部分があるのだと思います。

何故でしょう?

自分の趣味や物にお金を使いたい。

自分だって疲れている、不幸せ・・・。

 

そうやって

自分>教育

となることが一つの問題のように思います。

 

「親の言うことが聞けないんだったら、自分でやりなさいって意地悪だったと思う。」

自分の思い通りにならないから、仕送りをしない。

気付いたら彼女は裸になってる。

 

1-2.政策

2004年に小泉内閣は学生に学資を貸与する

日本育英会を廃止し、

独立行政法人日本学生支援機構に改編。

 

簡単に言うと

無利子であった奨学金が

利子付きになったのです。

 

学生にとってはだいぶきついです。

 

だいたい年間150万借りて×4年間

これで利息3%程度。

 

著者は学生の貧困と言う目線で

小泉内閣のこの政策を批判しています。

日本育英会の貸与奨学金が独立行政法人化して金融ビジネスになったのは、小さな政府を目指す新自由主義の一環

 

無知医なので政治には疎いですが、2004年って

既に少子化が進行している時代であったはず。

その時期に教育に逆行するような政策を

打ち出したのにはどんな理由があったのか?

国を担っていく若者にこそ投資をすべきであった

のではないかと思ってしまいます。

 

学生本人の名義で借りるので、子どもが4年間で500万~800万円の借金を背負うことになる。

 

そもそも、高校出たばかりの大学生に

ローン、金利の知識なんてあるわけない。

高校で奨学金に関する講義を行うべきだと

思うのです。

毒親に良いように搾取されるだけ。

奨学金の一部を親が懐に入れるなんて、

悲しいにもほどがあります。

 

2.彼女らの将来は・・・

夢を叶えるために、覚悟して入った

風俗業界。

 

そこでは避けられない罠が待ち受ける。

 

不特定多数の男性の性行為の相手をしながら、目標や目的が変わってしまうのは良くあることだ。

「教員になりたい夢は薄れたかな。どうしたらもっと稼げるか?みたいなほうに意識が行くようになった。」

 

夢の実現のために裸になる。

圧倒的な効率の良さで金が入る。

そして裸に慣れる。

 

まさに

 

仕組みそのものが女衒。

 

本来の夢であった職業は改めて見たら

労力に見合わない給料・・・

 

彼女たちは風俗が成長の無い産業で

寿命が短い事を気付けない。

自分の価値は「若さ」でしかないことを

どれほど気づいているのだろうか?

 

彼女の価値は若い肉体だけ。それに対価を払って飽きたら捨てられる

 

決して「能力」ではない!

自然、何のキャリアにもならない。

 

意識高くバリキャリのイメージに憧れた彼女は、大学4年間で、結局、中年男性相手の売春的な行為でしか結果が出せなかったことになる。

単体AV女優まで昇りつめて達成感はあり、生活は満たされるようになったとはいえ、5年後、10年後の未来はまったく見えない。

貧困ホストも

ずっと女性と話しているから、全然勉強が追い付かなくて本末転倒なことになってしまっているのが今です

 

一度裸になったら、抜け出せないのでしょうか。

 

3.分かり合えない男女

3-1.彼女らの中年男性像

「好き、大好き、付き合ってほしいとか、その時未成年の私に本気で言ってくるおじさんって、どういう人生歩んだらそうなるのって思いました。」

 

パパ活女子はこう思っているようです。

恋愛感情はまったくないです。相談係。相談おじさんです。好きになる要素がない。

私が自分の話をしていることが多くて、どうして相手がお金を払うのかわからないです。

しかし、パパとなる男性のゴールは

肉体関係。

 

それ以外ありえないと思います、ね。

若い子に数万出して食事で完結できる

男性なんていないと断言できます。

ですよね?

 

3-2.著者の抱く中年男性像

 

年功序列や上下関係、男尊女卑の意識が根付いている

横暴な態度。しかも、しつこい。偉そうに説教。

自分たちはまだまだ若い、女性にもモテると思っている。

 

さんざんな言われようだな・・・笑

 

これが真実ならば、このような40-50代には

なりたくないですねぇ・・・

 

女子たちにモテるどころか、迷惑な存在と思われながら最後の稼ぎにたかられている

勘違いから、

自分ならパパ活女子を抱けるだろう。

風俗では本番ができるだろう、と。

 

そして、思い通りにいかなかったら、

彼女らを罵倒する。

 

もう、どうしようもない。

 

けれども、それが中年男性の性なのでしょう。

否定しても彼ら自身の気質を変えることはできない。

 

4.解決策は?

裸になる女性を減らしたい。

 

これが著者の思いです。

彼なり考えてくれた案があります。

 

現実に即して

学生が普通のアルバイトで稼げるのは頑張って月8万円くらい

 

そこで

支出を減らすことを考える。

「自宅外通学を断念する」

自宅から通える大学に行くしかない。

 

そして親にも警告

「苦学生」が美化された時代に生きた親たちも、月9万4200円を負担できないならば、自宅外通学を断固として認めないべきである。

 

決してスケールの大きい提案ではないですが、

我々の手に届く案ですね。

 

問題は子が反論した場合、でしょうか?

先の例のように責任を放棄することは簡単です。

しかし、それでは子供があらぬ方向に

進んでしまいうる・・・。

 

世間知らずな子供をいかに説得させられるか、

教育の正念場でしょう。

 

~感想・今後に向けて~

性行為

「別に減るもんじゃない。」

 

ほんとでしょうか?

確かに物質的な損失はありません。

 

差別や偏見の的になる、違法の可能性、男尊女卑が業界に浸透してるので搾取される、性暴力を受ける、情報遮断される、恋愛や金銭感覚がおかしくなるなどなど、

 

こと、若い女性が多感な時期に

金銭感覚と恋愛感覚がおかしくなることは

大きな損失でしょう。

 

パートナーに対してこんな思いを抱くそう。

なんでこの人、無料で自分に会っていて、かつこんな扱いをなんだろうって。

お金払って会っているお客さんは、その時間に喧嘩なんて絶対しない。

悲しすぎる・・・

 

風俗で、一旦は金銭的問題は解決できる。

 

が、その代償は果てしなく。

 

貧困学生を憂う著者の思いが詰まった一冊

でした。

大前提として、彼女たちは見知らぬ中年男性の性的欲望の受け皿になることをやめて、平穏で楽しい学生生活に戻るべきだ。風俗嬢という職業の是非はここでは関係なく、その時間や精神的疲弊、学業やサークル活動や恋愛に注いだほうがいいということだ。

 

繰り返しますが、僕は高校の時期に

学生自身に奨学金に対するリテラシーを

育ませることが重要だと考えます。

 

ローンを組むとはどういうことか?

きっと知識ある人間が利用すれば、

貸与型奨学金も大きな社会問題に

ならずに済んだのだと思います。

 

そして、決して返済義務のない親の

思うようにさせない。現金が親に渡らないような

仕組みにしてしまえばよいはずです。

 

 

後味の悪い内容でした、が

これが現実なのですね。

 

まだまだ、読書は続きます。

 

 

参考・引用:中村淳彦 女子大生風俗嬢 性とコロナ貧困の告白 (株)宝島社 2021年5月