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たまに、Googleで「面白い小説100選」

なるものを調べるんです。

あまり、ビジネス書や自己啓発本を読みすぎても

疲れちゃうので笑

 

そこに百田尚樹さんの「カエルの楽園」が

載っておりました。

 

(百田尚樹さんの本は先日ハードカバーで

野良犬の値段を読んだばかりでした。

初のミステリーとのことでしたが、物語を通して

日本社会の現状を読者に考えさせることが

巧みな方だと初心者ながら感動しました。)

 

「カエルの楽園」・・・単なる寓話でしょうか?

しかし装丁に

「全国民必読!」

とあります。何か日本国民が向き合うべき内容が

ありそうです。

 

~あらすじ・自分メモ

この話の世界観として

人間=カエル

人種=品種

です。

 

アマガエルのソクラテスが主人公

その名の通り、「無知の知」を理念

としているのか、多くの人の話を

聞き、対話していく様子が描かれます。

 

1章 偽りの楽園ナパージュ

 

難民のソクラテスが崖の上の孤島

ナパージュにたどり着いたところ

から話が始まる。

 

そこに住むのはツチガエルで

『三戒』と『謝りソング』によって

平和が守られていると信じていた。

そしてそのように教育された。

 

しかし実はスチームボートが

平和を守っているとの見方もあった。

 

 

そしてナパージュには老いたカエルが

多かった。

 

・ナパージュ

これを解読できた時はうれしかったです笑

napaj 逆から読むと・・・です。

・三戒

憲法

・謝りソング

多くの犠牲者を出した日本が戦争を

仕掛けた。国内だけでなく、海外の

多くの人間を死にやり、多くの物を

奪った。反省し、二度と戦争を

起こしてはいけないという思想。

・スチームボート

潜水艦、横須賀に停泊しております。

アメリカ軍です。

 

日本の戦後教育を揶揄したものでしょうか。

何も知らない、考えようとしない平和ボケした

日本人をあざ笑っているように描かれています。

私も無知なので、ここに登場するツチガエル

とおんなじです。

 

小学校の女性の先生の言葉を思い出すなぁ。

「日本は平和の国です。絶対に戦争など

してはいけないのです。」

何故、あのような発言したのか?

当時の自分に何の疑問も無かったですね。

今思えば、かなり思想色の強い先生でしたね。

当時、20代の方だったと思います。

 

今では思います。戦争の良し悪しを問うよりも

何故、先の戦争が起こってしまったのか?

もっと根源的な理解が必要だと。

あの先生は教えてくれなかったな。小学生には

難しい事情だったのでしょうか。

 

今も大して近代史など理解できていないん

ですけどね笑

 

 

また、じわりと高齢社会の問題も最後に

マーキングしていきましたね。これが

後半に効いているような気がしました。

 

2章 忍び寄るウシガエル

ナパージュでは

デイブレイクの声が大きく、

心酔しているカエルが多かった。

 

それはリベラル的思想であり、

三戒の遵守とそれを脅かす

3匹のカエルを忌み嫌っていた。

無論、スチームボートの存在も

疎ましく思っていた。

 

ある日、ウシガエルがナパージュの

南の崖を登ってきた。国中がパニックに

なった。

しかし、デイブレイクは平和的解決を

掲げ、フラワーズと共に

スチームボートを追い出してしまった。

 

 

・デイブレイク

僕には「日を壊す」つまり

日本を壊す存在 としか

読み取れませんでした。恥ずかしい笑

朝日新聞の事だったとは・・・

・3匹のカエル

陸・海・空の自衛隊

・ウシガエル

中国

・フラワーズ

シールズ

 

3章 滅びるナパージュ

 

ナパージュはウシガエルを追い出さなかった。

ウシガエルの数は増えていった。

彼らはとうとうナパージュを占拠してしまった。

 

奴隷なんて過去の概念だろう。

と思っている自分がいます。

自分たちが奴隷となる想像力なんて

自分にも欠如しています。

 

エピローグの最期は胸がつまりました。

 

ウシガエルたちが一匹のツチガエルを弄んでいたのです。

手や足をちぎって食べ、空中に放り投げたり、地面にたたきつけたりして笑っていました。

 

著者は性的な想像をさせる描写は

一切書きませんでしたが、

おそらく強姦され、命を落としたのでしょう。

 

参考 引用:カエルの楽園 百田尚樹 新潮社 平成29年

 

~感想・今後に向けて~

 

世間知らずの私でも尖閣問題と安全保障が

テーマであったことまではわかりました。

問題は、我々がどう向き合っていくか。

一人の力では変えることは難しいですが、

まずはこの情報社会で日本国民の立場で

情報の取捨選択とfact checkを行う事でしょう。

 

百田さんは天才なんでしょうか。

社会問題を見事に寓話に置き換えました。

違和感ありません。

 

皆さんはどこまで謎解きができましたか?

自身の社会的なリテラシーを知る上でも

非常に興味深い一冊だったかと思います。

 

 

ここで、おそらくは憲法を意識せず

日々を送っているツチガエルが、無知医なりに

根本的な疑問を2つ。

 

①尖閣諸島が中国になったらどうなる?

実質的な損害は何か?

 

漠然と、尖閣は日本のものだと主張しても

何も理解は深まらないような気がしました。

 

漁獲量の問題なのか、または海底資源の

問題なのか。

 

はたまた国土侵入を一回でも許すという

行為自体に問題があるのか。

 

それならば領土を侵されるとは

何を意味するのか?

 

考えようによっては守護者がアメリカから

中国になるだけではないでしょうか。

私は33歳なので、当時アメリカに敗戦した

人々の感情を直接推し量ることはできません。

ただ、今と同じ感情であった可能性もあります。

 

言い換えると1940年代に生きていた若者が

抱いたアメリカ像と2020年に生きている若者が

抱いている中国像は同じなのでしょうか?

 

・A国に支配されるかもしれない。

Aにはアメリカも中国も同様に入れてしまって

文が成立するのでしょうか。

 

 

②選挙において

年齢別に票の数を変えてはどうか?

将来を担う若い人こそ多くの票を有しても

良いのでは?

 

しかし、こんな案はすでに議論を終了

されているでしょう。

ただ思うんですよ。高齢社会とは言え、

生産年齢人口層を蔑ろにしまっては

GDPの成長に繋がらないように感じます。

 

弱者を守りすぎでしょうか?しかし医療者の

私は彼らを通じて医療費を

いただいてるんですね・・・。

 

話がそれました。

本書の全カエル採決では若い意見が

通りませんでした。数の差だけでしょうか。

これは筆者が高齢者に忖度する政治を

暗に批判しているように感じてしまったのです。

 

 

 

登場ガエルにハンドレッドという

愛国心にあふれた存在がありました。

 

・・・百田さんだったのか―・・・

読解力無し!ですね笑

「ひどい国だが、俺はこの国が好きなんだ。

それに――ここが俺の国だ」

理屈ではない、日本を思う気持ちが

一言に集約されておりました。

彼のリアルでの本音でもありそうです。

 

 

私には日本人の根源的な定義が

まだまだ分かっておりません。

引き続き勉強が必要です。