友達の結婚式だった。新婦とは大学時代の同期。久しぶりの
筋金入りの体育会系ののりに、ぽかーんとしてしまった。
すっかり忘れていた過去がよみがえってきた。
彼女は群を抜くトップアスリートで、共にすごした4年間で
共に笑い、共に涙した回数は半端ではない。
彼女は喜怒哀楽の哀を表現しない人だった。彼女の哀は悔しい
方だった。
竹を割った性格で、とても潔い勝負師タイプ。いじいじしたり
小さいな事を気にする私はとても助けられた。
そんな彼女が結婚するときいて、心からお祝いしたいと思った。
私にとって大学時代の部活動はとても苦い思い出。
華々しい結果を残すことも出来ずにくすぶっていた。
また、ある意味弱肉強食の世界だった。
体育会系とは不可思議な集団で、独特の上下関係や価値観を持っている。
在学中から常に疑問に思っていた。
1年生のとき4年生の先輩がいた。
彼女は特待生として部活に入部したのではなく、一般入試で入部したらしい。入部したての私は衝撃を受けた。
男子の4年生の先輩が彼女の髪を鷲づかみにして、道場を引き釣りまわしていた。そして、誰一人として彼女を心配すらしない。
それどころか、彼女と話したり親しくすることはタブーだった。
私は、あんなにひどい目にあっても泣き言ひとつ言わないで、もくもくと練習する彼女を尊敬した。
一般入試で入部したならいつでもやめることが出来たはずなのに、最後まで諦めなかった。すごい精神力である。
彼女は、私のことを気にかけてくれた。私も彼女には心を開いた。
そして、私が新しい標的になった。稽古もさせてもらえずに2時間正座させられたことがあった。いつも胴衣が血だらけになった。
私は弱い人間だったので、何度も辞めようと思った。
そして、心のそこから部活が嫌いになった。
合宿中、専門用語を言われてわからなかったことがある。
たった一つの語句を知らなかっただけで、卒業まで監督から部員までに言われ続けた。
漢字もろくに読めないような人たちに、馬鹿にされた。
すごい屈辱だった。
肉体的にも精神的に傷ついた。そして卒業と同時に自分の中に封印した。
彼女が卒業するときに胴衣を頂いた。彼女の名前が入っていた。
胴衣を着て練習にいくと他の先輩から冷やかされ、汚い扱いされたことがある。そのときのわたしは、せっかく頂いた胴衣の名前の刺繍を外した。
恥ずかしい限りである。
今となってはこのときの経験が糧となり、社会に貢献できる人間を目標に
頑張ってこれた。思い出すたび辛いけど、辛抱強くなったと思う。
また、いつまでも意地をはらずに器の大きい人間になりたい。
で、彼女の結婚式はどうだったかというと、かわいらしくてアットホームな暖かい結婚式だった。お幸せに。おめでとう。