可動式手すり 矢崎化工㈱ CFA-5A 続編 | ちょっとした工夫で効果抜群な 自宅での福祉住環境整備ノウハウ

ちょっとした工夫で効果抜群な 自宅での福祉住環境整備ノウハウ

 福祉住環境コーディネーター、福祉用具専門相談員として病気や障がいを抱え自宅で生活されている方々から学ばせて頂いた、知識だけにとらわれない“現場ノウハウ”をお伝えしていきます。
 マニュアル的な方法論ではなく「臨場感」を大切にしています

在来工法の浴室に
浴槽またぎが安全に行えるように
はね上げ式手すりを設置。
矢崎化工㈱ CFA-5A




このブログで度々触れているが、段差昇降や歩行、浴槽またぎには「片足を上げる」動きがあり、それは『残った片足で支える』ことが伴う。
片足で支えることをより安定して行えるように手すりを水平に設置し、それを両手でつかむことにより「左手ー体幹(支持脚)ー右手」で三角形を形成する。

さらに安定だけではなく、またぎなどに伴う左右方向への重心移動も制御しやすくなる。ブレずに動きやすいのだ。
これらは縦手すりでは得られない効果である。
さらに今回のように手すりが自分の身体に近い位置にあれば、手すりに覆いかぶさるようにして体重を載せやすくなる。すなわち支持脚の負荷はより少なくなる。




縦手すりの場合、支持脚には常に全体重の負荷が掛かる。軽減することは考えられない。
「片足を上げ、残った足で支えている」その時間は、手すりを握る力で姿勢を保つしかない。
片足を上げている時にまたぎ動作に伴う左右の荷重移動が始まると、握っている縦手すりを軸にして身体に回転運動が加わり、支持脚には体重以上の負荷が掛かる。

上記のような理由から、立位での浴槽またぎに対してお客様に水平手すりを提案することが多い。

さらにこの手すりは中途半端な中腰姿勢でも確実に手が届く位置にあるため、浴槽への出入りにも有効である。



この方は昇圧剤を日に2回服用。それでも収縮期血圧は100に届かない。
パーキンソン症状が顕著になりDBS療法を受け、症状は劇的に改善しているもののふらつきは残る。