最近の作品の中ではとても心に残る作品でした
表題作が『サファイア』とあるように宝石の名前がタイトルになっていて、その宝石に関わる女性たちを描いた短編集です。
『真珠』
たぬき顔のおばさんと私、元ムーンスター(歯みがき粉やシャンプーを作っている会社)社員がムーンスター製品との思い出を語る作品。
『ルビー』
主人公の実家の近くにある老人福祉施設が建つ。その施設に住む老人と主人公の母が仲良くなり、家族ぐるみで交流が始まった顛末を主人公とその妹が語り合うのだが…
『ダイヤモンド』
恋人にプロポーズをしたその日、一羽の雀を救った主人公。その雀から一週間だけ幸せになれる頼みを聞くと言われた主人公がある調べものを依頼する。
『猫目石』
隣人の猫を探す手伝いをした大槻家にはそれぞれ言えない悩みがあって…
『ムーンストーン』
元政治家の夫を殺害してしまった主人公の前に現れたのは弁護士になった中学時代の友人だった。
この作品は現在、過去、現在でストーリーが成り立っているのですが、過去を読む間、なんとなく違和感が…。後半の“現在”を読んで違和感の正体に気付くのだけど、この手のミステリはきっちり完成されてると面白いです。主人公たちの友情にも胸を打たれました。
『サファイア』
人におねだりができない主人公・真美が初めて欲しいものを言える相手ができたのだが、その恋人が事故に逢ってしまい…
『ガーネット』
たった一度だけの“おねだり”を悔いていた真美が小説家デビューをし、処女作『墓標』が映画化されることになる。主演の女優と「自分の人生を変えた品」を持ち合い対談することになるのだが、その対談で真美は驚くべき話を聞くことに。
『サファイア』ではおねだりできない主人公が恋人のおかげで少しずつ変わっていく姿が微笑ましかったです。その後に起こる事故で後味の悪い思いをしていたところに、次の『ガーネット』が続編でホッとしました。
…が!『ガーネット』では冒頭から暗~くて気持ちが落ち込みつつも読み進めていくことに。最終的に感動させられてやっぱり湊かなえさんの作品は繊細で素敵だとしみじみ思いました。
たまたま本を読んでいてこのブログを覗いた人がいればコメントくださいね
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