彼は水で生きていた

食べ物を好まず

水と空気だけで生きていた


人は嘘だと言うが本当の事だった

人はそんなの動物では無いと植物だと言うが

本当の事だった


彼は水で生きていた

ここ最近の温暖化の問題などで

世界のあちこちが干ばつなどの被害にあい

雨が10年近く降らなかった


彼は水で生きていた

彼は自分を最早人間だと思っていなかった

人間の形をして言葉も持っているが

それが彼の人生に今まで大して大きな意味を持たなかったからである


彼は空を見上げた

今にも泣き出しそうな空がこちらを見つめているの彼は知っている

見ているのではなく感じているのだった


彼は息絶えた

彼は最後にこう思った

「人間の形を持たなかったらもっと生きられたのだろうか

言葉をもっと巧みに使えたらもっと生きられたのだろうか」

不思議だった

今まで感じたことの無い感情ばかりだった

死ぬことは怖くない

そう思っていたはずなのに


彼は最後横に咲いていた花を見て思った

今度もし生まれ変われるとしたら花になりたいと

彼はそう思い1粒の雨を感じ土になった