文劇喫茶『それから』 | じゃまいかのブログ

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文劇喫茶シリーズ第一弾『それから』
5月5日と5月11日を観劇しました。

がっつりな3人芝居。
なんというか、すごいものを観た、という感覚。

原作が夏目漱石なだけに凄まじい台詞量。
主演の代助役平野さんに至っては2時間出ずっぱり。
夏目漱石独特の台詞回しを流暢に話しこなす。
公演直前のイベントで今立さんが言っていたのですが、稽古をする中で覚えていけばいいやと思った立ち稽古初日、平野さんは完璧に入れてきたそうです。
恐るべし平野良。。。

セットもとても素敵でした。
下手にはお洒落なドレッサー。屋外であることを示す電柱を挟んで、中央には代助の書斎兼実家兼平岡家の障子ドアに下を向かって傾斜のある畳。そして上手にはカウンター、下がらないためそこで水を飲んだり龍角散ダイレクトをできるシステム。
セット替えがないので それから の世界に引き込まれたまま2時間。MY初日の5日は前方席だったこともあり神経はち切れそうでした笑

逆に、神経がはち切れそうな時に登場する今立さん演じる梅子や、日替わりゲストが演じる寺尾が緩和剤となって楽しませていただきました。
日に日に年齢層が高くなり、寺尾(ここではさと兄)が身内ネタを言っても客席からの反応が薄かったのはむしろ面白かったです。

原作では様々な登場人物がいますが、舞台では3人。足りない部分をどうするか気になっていましたが、帆風さんが代助の御父さんをやるのには感心しました。
代助の心情を揺るがす2人を同じ役者がやることに感慨深さ(?)を感じました。
これは宝塚出身じゃないとなということも笑
帆風さんの声帯の切替には鳥肌がたちました。

相手によって微妙に態度が変わる代助を器用にこなす平野さんはもう流石です。
高等遊民という少しとっつきにくそうな役を日々変化させながら確実に歩んでいく彼の芝居に、何度観ても心揺さぶられてしまいます。

1番楽しみだったのはラストの 赤 の演出と、赤 に染まっていく代助の表現。
新しく赤色の装置を増やすのではなく、今まで使っていた椅子や卓袱台やティッシュや着物の下に着るやつ(ごめんなさい🙏)やらで染めていく演出に感心しました。
客の想像力に任せる感じがすごい好きです。
ただ、ティッシュを抜くあたりから赤いビラビラがふぁっさーってなって、マジシャンぽいと思ってしまいました。

そして、平野さんの狂気的な芝居。原作を読んだ時、代助は冷静にその時を待ってるイメージだったので、裏切られた感。いい意味で
平野さんにサイコパスの役やってもらいたいなー
って思ったけど、殺意の衝動はめちゃくちゃサイコパスか。もう一回観たい、、、

配役がすごいぴったりで。
帆風さんはただただ美しい。単に綺麗なんじゃなくて愁いを帯びた女性の美しさで、傘を持った姿なんて女の私でも惚れました。
この舞台が発表されてから原作を読んだので、平岡常次郎なんてずっと今立さんの顔で登場してきました。梅子と常次郎をどっちも素敵にできるのも今立さん(芸人さん)だけだなと。
平野良はただの演劇妖怪です笑
千秋楽終わってからたった15日で奇面組(一堂零役)が始まるとか普通じゃあり得ないですよね🙀
それを最高以上にやり切るのが平野良だからファンなんです笑笑

ビンゴの関係で今書きましたが、これから千秋楽です!
千秋楽おめでとうございます!!!
THE 演劇、
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楽しむぞ〜(^^)