君がため 惜しからざりし 命さへ
永くもがなと 思ひけるかな
藤原義孝
意味:あなたの為なら惜しくはないと思っていた私の命ですが、あなたと結ばれた今は、長く生きていたいと思うようになりました。
恋人と初めて夜を一緒に過ごした作者が、女性に対する深い愛情を詠んでいます。
恋人に会うまでは「命を捨てても惜しくは無い」と考えるほど恋焦がれていました。
会いたいという願いがついにかない、実際にあこがれの女性と共に過ごしてみると、今度は作者の気持ちはがらりと変わりました。「この人ともっと一緒にいたい。だから、自分は長生きしたい」と思うようになったのです。相手への想いがよりいっそう強くなったことを表現しています。
藤原義孝:954~974年。藤原これまさの息子。美男子で才能もあり、人柄も良かったという。病気のためわずか二十一歳で亡くなった。